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「旧式〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧式の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
笑い声だと思ったものは泣き声だったことを発見した。 声の主《ぬし》は妹である。旧式の束髪《そくはつ》を俯向《うつむ》けたかげに絹の手巾《はんけち》を顔に当てた....
婦系図」より 著者:泉鏡花
をがらがらと開けて、車夫は横ざまに身を開いて、浅黄裏を屈めて待つ。 冠木門は、旧式のままで敷木があるから、横附けに玄関まで曳込むわけには行かない。 男の児が....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
林を背景に、火葬場へ行く道路を見下すようにして立っているのだが、それはもうかなり旧式の平屋建で立っていると云うよりは、なにか大きな蜘蛛でも這いつくばったという形....
河明り」より 著者:岡本かの子
いるらしいその願いが如何にも本能的で切実なものであるのに私の心は動された。朗吟も旧式だが誇張的のまま素朴で嫌味はなかった。 親しき息は海に通い ささやきは胸に通....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
へ行こうとすると、中から誰か出て来た。姿は違うが、その歩きかたは確かにWだ。その旧式のビロードの服が、人夫か土方の帳つけというように見せるので、よくそう言ってか....
怪星ガン」より 著者:海野十三
エンジンは、何を原動力にしているの」三根夫はハイロにたずねた。 「いまのところ、旧式だけれど原子力エンジンを使っていますがね。そのうちに、もっと能率のよいものに....
超人間X号」より 著者:海野十三
ことばをのんで、少年たちに腕をとられたまま、へたへたと尻餅《しりもち》をついた。旧式《きゅうしき》の制御台《せいぎょだい》 少年たちは、この谷博士が非常に神経....
地獄の使者」より 著者:海野十三
部署で働いていた。彼のところには、自動式ではなく手動式の缶詰器械があった。これは旧式のものだが、数の少い試験用缶詰をパックするには便利なものであった。 井東は....
火星兵団」より 著者:海野十三
べて二つかけてあった。 どっちも、たいへん古めかしい飾りがついている、振子形の旧式時計であった。 振子は、どっちの時計の振子も、とまっていた。つまりうごかな....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
かぶりついても達しなければおかないその希望は、なかなか実現しない。彼らの依拠する旧式農法による生産高を現在の経済組織はみごとに裏切って行くのである。そこで彼らは....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
飯櫃を運んで来た婆さんは、「どうぞよろしく」とそのまま引き下がった。見ればこれも旧式の、平もあれば壺もある、さすがに汁には泥も沈んでいない。快よく夕飯を終りて、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ケーブル車の三ペンス(わが十二銭)なるは高価なり。メルボルン市は電車を用いずして旧式のケーブルを用うるは、あに奇ならずや。四月本邦を去りて豪州に至るまでの紀行を....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
した。何故と言って、お金を宝石に替えて持っていましたが、いざ売ろうとすれば、やれ旧式だの疵があるの、色が悪いのとケチをつけて踏み倒されてしまいました。私はダイヤ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
於ける作戦計画を立案した事がある。 ナポレオンの立案せる計画は、当事者から即ち旧式用兵術の人々からは狂気者の計画と称して実行不可能のものと見られたのである。ナ....
魯迅さん」より 著者:内山完造
おられたようです。 「北京の方はお母さんの嫁さんです」 というておられた。つまり旧式の親と親とで勝手にきめた結婚であることを指して言われたのだと思います。その通....