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旧習
「旧習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧習の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
疑問である。成種牛馬は親の為に養育されるのに違いない。しかし自然の名のもとにこの
旧習の弁護するのは確かに親の我儘《わがまま》である。若《も》し自然の名のもとに如....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
》一部の日本人によって起されたところの自然主義の運動なるものは、旧道徳、旧思想、
旧習慣のすべてに対して反抗を試みたと全く同じ理由に於て、この国家という既定の権力....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
リ。右ハ至情不之ニ於テハ、事実ヲ詳ニシ、速ニ其筋へ訴へ出ヅ可ク侯。若シ其儀無ク、
旧習ニ泥ミ擅殺スルニ於テハ相当ノ罪科ニ処ス可ク候条、心得違ヒ之レ無キ様致スベキ事....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
第六 帝政論派 自由論派は抽象的自由を信じてこれをわが国に拡張し、ついに東洋の
旧習を一洗せんとするの大望を抱きたり。この論派こそ実に世人の旧思想を警醒し人類の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
曾路の変わり方である。今は四民が平等と見なされ、権威の高いものに対して土下座する
旧習も破られ、平民たりとも乗馬、苗字までを差し許される世の中になって来た。みんな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
年の宿村の世話と街道の維持とに任じて来たのも、そういう彼らである。いよいよ従来の
旧習を葬り去るような大きな革新の波が上にも下にも押し寄せて来た時、彼らもまた父祖....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
脱は苦痛である。しかして最大愉快である。人間が懺悔して赤裸々として立つ時、社会が
旧習をかなぐり落して天地間に素裸で立つ時、その雄大光明な心地は実に何ともいえぬの....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
諾して十幾人かの児童をその通り通学せしむる事になった。この旧穢多の家で私はわざと
旧習を破って見せるために、茶を貰いたいといったら、立派な朱塗りの蓋《ふた》つきの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ことを恐れてる、気の小さな父親らであった。社会の精神、古典的伝統、精神と形式との
旧習、深い真摯《しんし》の欠乏、などは彼らをして、その大胆な試みを最後まで押し進....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
。年の寄った婆さまたちが主となって、稀に若い女たちがまじるようになったのは、単に
旧習を守る人のみがするだけになったと言うことで、昔は若い女たちが却て、中心だった....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
子の主人であり、夫婦雛の典型的美男美女として有名であることよりも、彼等は、劇界の
旧習から離脱し、超越して人間味深く、その情艶は同人を羨ませている。 私は支配人....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
た。それらのことは、前の「番附と絵本」の条に語ったが、今度の歌舞伎座では一切その
旧習を打破って、各俳優の役割は一幕ごとに記すこととし、その身分には頓着せずに総て....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
急に広がったものであろうなどと、洒落て済ますべきものではない。葬儀の如きはことに
旧習を重んじて、容易に変化し難いものである。さればよしや今存する令の本文が養老の....
「西航日録」より 著者:井上円了
れを細別すれば百三十四種あり、その間の圧制実に驚くべきもの多し。これに加うるに、
旧習を重んずる風ありて、社会の発達はほとんど絶望のありさまなり。しかしてこのカー....
「『小さな草と太陽』序」より 著者:小川未明
ンチシストであった。なんで、人間は、大きくなって、この心を有しないのか。そして、
旧習慣、常套、俗悪なる形式作法に囚われなければならぬのか。 塵埃に塗れた、草や....