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旧跡
「旧跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「荒雄川のほとり」より 著者:佐左木俊郎
山脚を洗う荒雄の水音を、微《かす》かに聞く地点なのである。 南方の丘陵が武将の
旧跡なら、北方の丘陵は宗教の丘である。即ち聖徳太子の四天王寺の一つが今の地名をな....
「俊寛」より 著者:菊池寛
もなかった。そのうちに、便乗してきた商人船の出帆の日が迫った。今は俊寛が生活した
旧跡でも見たいと思って、人の住む所と否とを問わず、島中を縫うように駆け回った。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あった。 旅絵師も自分のゆく先を話した。かの芭蕉の「奥の細道」をたどって高館の
旧跡や松島塩釜の名所を見物しながら奥州諸国を遍歴したい宿願で、三日前のゆうぐれに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
金魚ではこんな話がありましたよ」 お玉ヶ池の伝説はむかしから有名であるが、その
旧跡は定かでない。地名としては神田|松枝町のあたりを総称して、俗にお玉ヶ池と呼ん....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
いたものは九重嶺と阿蘇山との間の一大窪地であった。これはかねて世界最大の噴火口の
旧跡と聞いていたがなるほど、九重嶺の高原が急に頽こんでいて数里にわたる絶壁がこの....
「春昼」より 著者:泉鏡花
申しまする。 坂東第二番の巡拝所、名高い霊場でございますが、唯今ではとんとその
旧跡とでも申すようになりました。 妙なもので、かえって遠国の衆の、参詣が多うご....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
舟が幾|艘も来て舫っていることがあった。幸田露伴翁の「水の東京」に、「浅草文庫の
旧跡の下にはまた西に入るの小渠あり、須賀町地先を経、一屈折して蔵前通りを過ぎ、二....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
られる「祝祭劇」などは、そういう目的をもつて書かれたものである。 ローマ時代の
旧跡「円形劇場」における壮大な楽劇の試みも、イタリアなどで行われている。 これ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
オイランのセッカン用の部屋の由、昔は牢屋のような格子がはまっていたものらしく名所
旧跡的な曰くインネンよりも、怪談怨霊的曰くインネンの方がはるかに多種多様に部屋々....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
彼女のすべての生活であった。「気が向けば」彼女は遠い山の温泉場へも行ったし、名所
旧跡も訪れた。松島見物に出かけた村の人々が、塩釜の町で、ひょっこり彼女を見つけて....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
方が無い。 八十九 彼等は空しくハットン市の在った方を眺めた。今は町も無い、町の
旧跡さえも無い。 彼等は徒に、誰か助けてくれる人は無いかと望んだ。誰も無い、て....
「審判」より 著者:カフカフランツ
へん大切な、そして初めてこの町に滞在したあるイタリア人の顧客にいくつかの芸術上の
旧跡を見せるように、という命を受けた。この命令は、ほかのときならばきっと名誉に感....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ンには仏陀の古跡もなければまた研究するものも少ない。もっともチベット仏教の高僧の
旧跡などはありますけれどもそういうものは私にとっては余り貴重の事でもない。ただ必....
「活人形」より 著者:泉鏡花
く輝きぬ。処は相州東鎌倉雪の下村……番地の家は、昔|何某とかやいえりし大名|邸の
旧跡なるを、今は赤城得三が住家とせり。 門札を見て、「フム此家だな。と門前に佇....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
天然の温泉あり、海に天然の浴湯あること、第四に、日本は旧国なるをもって、歴史上の
旧跡はなはだ多きこと、第五に、古刹旧社そのほか、古代の美術・奇観、今なお存するこ....