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「旧道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
通りかかった汽車に一度現代の煙を吐きかけられた以後は、全く時代とは絶縁された峠の旧道である。左右から木立の茂った山の崖裾の間をくねって通って行く道は、ときどき梢....
高野聖」より 著者:泉鏡花
坂を尋《たず》ねて見た。 (はい、これは五十年ばかり前までは人が歩行《ある》いた旧道でがす。やっぱり信州へ出まする、先は一つで七里ばかり総体近うござりますが、い....
姪子」より 著者:伊藤左千夫
も意気で以て思合った交りをする位楽しみなことはない、そういうとお前達は直ぐとやれ旧道徳だの現代的でないのと云うが、今の世にえらいと云われてる人達には、意気で人と....
性急な思想」より 著者:石川啄木
、輓近《ばんきん》一部の日本人によって起されたところの自然主義の運動なるものは、旧道徳、旧思想、旧習慣のすべてに対して反抗を試みたと全く同じ理由に於て、この国家....
朱日記」より 著者:泉鏡花
かと思ったぞ。 でもな、秋とは違って、日の入が遅いから、まあ、可かった。やっと旧道に繞って出たのよ。 今日とは違った嘘のような上天気で、風なんか薬にしたくも....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は暑い。垣の鼓子花は凋れていた。(明治39・8) 日光の秋八月、中禅寺をさして旧道をたどる。 紅い鳥が、青い樹間から不意に飛び出した。形は山鳩に似て、翼も口....
単独行」より 著者:加藤文太郎
だ夏道がわかるので大して迷わなかった。しかしそのときはズッと下の尾根に登ったから旧道を通ったのだろう、崩れたところがあって困った。また昨年五月二十七日はズッと奥....
貞操問答」より 著者:菊池寛
っているので、同行することにした。 三人は、森を抜けて、陽のよく当る白い径を、旧道の方へ歩いた。 彼女の愛人の美沢は、早く父を亡くして母親育ちであるだけに、....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
してリアリストたらしめたものは、明らかに道徳的意識の力である。砂の上に建てられた旧道徳を壊って、巌の上に新道徳を築かんとした内部の要求の力である。わたしは以前彼....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
て、ほかの土地へ立退く者もある。わたしも親父と一緒に横川で汽車を下りて、碓氷峠の旧道をがた馬車に乗りましたが、山路で二、三度あぶなく引っくり返されそうになったの....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
えながら、一里をどの位早く歩けるかを測りながら歩いた。人力車も幾つも追い越した。旧道があれば、喜んで山道の坂を越えて距離を短縮した。歩くことが目的であった。その....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
かとも思った。後に聞いたら赤石山系の悪沢岳であった。 私どものゆく道は新道で、旧道七曲峠の方からは白峰もかなりよく見えるという。それを楽しみに歩を運んだ。急坂....
芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
、真に犠牲的精神から発する。しかるに、アカデミックの芸術は、旧文化の擁護である。旧道徳の讃美である。 私達は、IWWの宣言に、サンジカリストの行動に、却って、....
婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
自由が唱道せられた時分である。それまでは、男女席を同うせずといったような堅苦しい旧道徳の束縛が、互に物を言ったり、交際するのをすら障げていた。これに対する反動は....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
が、直径二、三尺以上にも及ぶものが少なくない。黒平方面から金峰山に登る間や、雁坂旧道の椈の林と共に奥秩父の最も美しい闊葉樹林と称して差支ないであろう。此辺で落ち....