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早々
「早々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
後まで戦おうとする熱意が病熱よりも高く私の胸の中で燃えているのみだった。
正月
早々悲劇の絶頂が到来した。お前たちの母上は自分の病気の真相を明《あ》かされねばな....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
のない様な人は無造作にはあるまい。岡村に一つ聞いて見ようか、いや聞くまい、明日は
早々お暇《いとま》としよう……。 いつしか疲れを覚えてとろとろとしたと思うと、....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
まで出たけれど遂《つい》に言い切らなかった。母も意地悪く何とも言わない。僕は帰り
早々民子のことを問うのが如何にも極り悪く、そのまま例の書室を片づけてここに落着い....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
くただ夢心地であったが、はっと心づいて見ると、一時もここにいるのが恐ろしく感じて
早々家に帰った。省作はこの夜どうしても眠れない。いろいろさまざまの妄想が、狭い胸....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
す、一同つい居る。 亀姫 お姉様、今度は貴方が、私へ。 夫人 はい。 舌長姥 お
早々と。 夫人 (頷きつつ、連れて廻廊にかかる。目の下|遥に瞰下す)ああ、鷹狩が....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
でもあるように聞えるじゃ。」と杖を一つとんと支くと、後の雁が前になって、改札口を
早々と出る。 わざと一足|後へ開いて、隠居が意見に急ぐような、連の後姿をじろり....
「女客」より 著者:泉鏡花
んぞの様子じゃ、良人の方の親類が、ああの、こうのって、面倒だから、それにつけても
早々帰れじゃありませんか。また貴下を置いて、他に私の身についた縁者といってはない....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
らかして上げましたんでさ。」 「だって、住吉、天王寺も見ない前から、大阪へ着いて
早々、あの婦は? でもあるまいと思う。それじゃ慌て過ぎて、振袖に躓いて転ぶようだ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だ。」 いかがな首尾だか、あのくらい雪にのめされながら、割合に元気なのは、帰宅
早々婆さんを使いに、角店の四方から一升徳利を通帳という不思議な通力で取寄せたから....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
を東京へ移転させてしまつた。 京都などに撮影所があるからいい現代劇ができない。
早々東京へ引越すべしというのが批評家の意見なのである。会社の移転の指図までするや....
「おびとき」より 著者:犬田卯
んていっても、折詰ひいたり、正宗一本つけたり……俺ら三十銭じゃ気がひけちまって、
早々に帰って来た。」 言いながら彼女は炉辺へ寄って、新聞紙に包んだものを夫の前....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
。古来の抜きがたい習慣を無視してその法律一点張りの、呪われたる督促……それが正月
早々からなので、ことに彼らをいきり立たせたのでもあった。 いかにこの新式の方法....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
「いらっしゃいまし、ようこそ。――路之助も一度お伺い申したいと、いいいい、帰京
早々|稽古にかかって、すぐに、開けたものでございますから、つい失礼を。……今日は....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
な奴、かえってその方が物騒じゃ、家内の者注意怠るな、一同の者、きっと叱り置くぞ、
早々引取りませい、とお捌きあり。 あっちでもこっちでもぶつぶつがらがら、口小言....
「西航日録」より 著者:井上円了
及ぶところにあらず、必ずや学校以外に国民教育の方法を講ぜざるを得ざるを知り、帰朝
早々、修身教会設立の旨趣を発表するに至る。世間もし、余とその感を同じくするものあらば、請う、これを賛助せよ。....