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早う
「早う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かかった。すると帯を解いていたお絹が、やや皮肉に彼へ声をかけた。
「慎ちゃん。お
早う。」
「お
早う、お母さんは?」
「昨夜《ゆうべ》はずっと苦しみ通し。――」
....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
の間《ま》へ退き、母布《ほろ》をかけた首桶を前にいつまでもじっと坐っていた。
「
早うせぬか。」
家康は次ぎの間《ま》へ声をかけた。遠州《えんしゅう》横須賀《よ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
り出していた。が、ズボンのポケットの底に六十何銭しか残っていない今は、……
「お
早う。」
突然声をかけたのは首席教官の粟野《あわの》さんである。粟野さんは五十....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うとう彼まで巻添《まきぞ》えにした、あの牛飼《うしかい》の崇拝者であった。
「お
早うございます。」
若者は愛想《あいそ》笑いを見せながら、恭《うやうや》しく彼....
「父」より 著者:芥川竜之介
《うしろ》から、自分の肩をたたく者がある。自分は慌《あわ》ててふり向いた。
「お
早う。」
見ると、能勢五十雄《のせいそお》であった。やはり、自分のように、紺の....
「或る女」より 著者:有島武郎
の帯《おび》しろ裸《はだか》な、肉の薄い胸のあたりをちらっとかすめた。
「おやお
早うございます……あらかた片づきました」
といってそのまま二階に行こうとすると....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
す心じゃろが、お互に年紀じゃぞや。今の時世に、またとない結縁じゃに因って、半日も
早うのう、その難有い人のお姿拝もうと思うての、やらやっと重たい腰を引立てて出て来....
「活人形」より 著者:泉鏡花
様も、妾を助けて下さらないから、母様どうぞ助けて下さい。そうでなくば、私を殺して
早うお傍に連れて行って下さいまし、よ、よ。と力一杯|抱緊めて、身を震わせば人形も....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
から、それなり黙ってさ。それだって、様子を見ただけでも、お久しぶりとも、第一、お
早う、とも言えた義理じゃありませんわ。」 「どうしたんでしょう、こんな朝……雪見....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
いと出す。 「へい。」と筒抜けの高調子で、亭主帳場へ棒に突立ち、 「お方、そりゃ
早うせぬかい。」 女房は澄ましたもので、 「美しい跫音やな、どこの?」と聞く。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へへへ、」 満面に笑を含んだ、め組は蓮葉帽子の中から、夕映のような顔色。 「お
早うござい。」 「何が早いものか。もう午飯だろう、何だ御馳走は、」 と覗込んで....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ゃ、立っとッちゃあ埒明かん、さあ前へ行ね、貴公。美人は真中よ、私は殿を打つじゃ、
早うせい。」 島野は堪りかねて、五六歩|傍へ避けて目で知らせて、 「ちょいと、....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
胡坐《おおあぐら》で飲む時の魔神の姿が見せたいな。
妄念《もうねん》は起さずに
早うここを退《の》かっしゃい、助けられたが不思議なくらい、嬢様別してのお情じゃわ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ねえだでね。」 「はあ、ではいつ頃食べられます。」 きく奴も、聞く奴だが、 「
早うて、……来月の今頃だあねえ。」 「成程。」 まったく山家はのん気だ。つい目....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、お絹が、四五人で客に連れられて来たのだけれど、いまは旅館に一人で残った…… (
早う、あんたはんの許へ来とうて、来とうてな。) いよいよ、天麩羅では納まらない....