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「早まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
稲生播磨守」より 著者:林不忘
、手早く腹を寛《くつろ》げて突き立てようとする。 播磨 (その手を抑さえて)早まるな、主君と家来ではない。人間と人間、男と男として、おれの言うことをひととお....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
鬚野先生……ありがとう御座います。それさえ解れば千人力……」 「ま……ま……まあ早まるな。相手の家はわかっても、なかなかお前たち風情が行って、おいそれと会ってく....
十二支考」より 著者:南方熊楠
王を殺して代り立つと相師が言ったから、今の内に后を殺すべしといきまく。宰牛この事早まるべからず、男を生むか女を生むかを見定めた上、果して男を生んだら殺したまえと....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
いる。 一式小一郎は傾斜面を、ズンズン上へ上がって行く。気が忙《せ》くので足が早まる。だが息切れのしないように、丹田へ力をこめている。 「考えてみればあぶなっ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ゃありませんか。うそですか?』 『否。そは断じて事実にあらず。』 会話の速度が早まるにしたがい、私は一そう切口上だ。床屋は非常に不服そうな顔をしている。 『そ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ている。すこしわかる。段々わかる。わかる、わかる、そしてテンポ(内容に近づく)が早まる。こういうテンポも人間の全体のリズムで面白いと思います。外を撫でて字をよむ....
罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
いだろう。殊に女の事だ。玉島に組み伏せられたかも知れない。どうかそうあって呉れ!早まるな、伸子。もう玉島なんかどうでも好いのだ。殺す必要があったら、お前より先に....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
っぱりふられるぱあ ――唄はまったく泪にまぶれる。 と、ここで調子が、にわかに早まる。さっと一脈の明るみが流れる。※さいこたくまか出た、てけれっつのぱあ ――....
審判」より 著者:カフカフランツ
ね。あなたとなら打明けて話ができる」 「早まっちゃいけない」と、僧が言った。 「早まるってどういう点でですか?」と、Kがきいた。 「裁判所のことだよ」と、僧が言....