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早急
「早急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》を凝らしつつ、その胸中は二途の分別を追うに忙しかりき。 「これからとはあんまり
早急じゃありませんか。まだお話したいこともあるのだから、今夜はともかくも、ねえ」....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
日の祈祷《いのり》などおめおめと待ってはいられまい。泰親にもその旨を申し含めて、
早急にかれめを祈り伏する手だてが肝要であろうぞ」 この点に就いては、信西も勿論....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
表してみると、何だか大いに効果があがりそうに思われて来た。むしろなぜかかることを
早急に実行しなかったか、その遅きを残念に思うとの批評も出て来て、当局を悦ばせた。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
乗出していた肩の、衣の裏がするりと辷った時、薄寒そうに、がっくりと頷くと見ると、
早急にフイと立つ……。 膝に搦んだ裳が落ちて、蹌踉めく袖が、はらりと、茶棚の傍....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
日、そのような夢物語が登場しつつあるのである。 ソ連といえども、これに対抗して
早急に同様の原子爆弾の創製に成功するか、またはその防禦手段を発見し得ざるかぎり、....
「海底大陸」より 著者:海野十三
下の身辺をまもっている長良川博士やドン助教授などがじゃまになって、かれらの慾望は
早急にはとげられない事情にあった。とにかく長良川博士のこの言葉は、学者たちをして....
「食魔」より 著者:岡本かの子
はトンネル横町と呼ばれる変った巷路を通り度いためでもある。 いずれは明治初期の
早急な洋物輸入熱の名残りであろう。街の小道の上に煉瓦積みのトンネルが幅広く架け渡....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
かにも無念じゃ。 頼家 なに、無念じゃと……。さらばいかなる祟りを受きょうとも、
早急には出来ぬというか。 夜叉王 恐れながら
早急には……。 頼家 むむ、おのれ覚....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
な超冒険旅行」へのベルリン出発は、その日の真夜中午前二時だと示達された。あまりに
早急な出発であるから、僕はいささか未練がましく延期を求めたが、博士は気の毒そうな....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、二人がかりで、沢庵石に荷って帰りますのさえござりますに因って、今が今と申して、
早急には見当りませぬ。 随分と御遠方、わざわざ拾いにござらして、力を落す方がご....
「女客」より 著者:泉鏡花
した。」と勝手でいって、女中が帰る。 「さあ、御馳走だよ。」 と衝と立ったが、
早急だったのと、抱いた重量で、裳を前に、よろよろと、お民は、よろけながら段階子。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、銀に光る、鰹の皮づくりで、静に猪口を傾けながら、 「おや、もう帰る。」信也氏が
早急に席を出た時、つまの蓼を真青に噛んで立ったのがその画伯であった。 「ああ、や....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が……。』 『ではこれからすぐに出掛ける……。』 不相変お爺さんのなさることは
早急でございます。 私達は連れ立ちて海の修行場を後に、波打際のきれいな白砂を踏....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
よって可決されたばかりか、さらに大蔵省は市民に対して莫大な低利資金を貸出す準備を
早急にしなければならぬことになって、そのため、この地方のような山間農村にいまなお....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
たが、この(お願い申しまする)に至って、ちょいと言が切れたので。ト支えたらしい、
早急には、いい出せないし、黙っていると、低頭したままでいる。はッと急いたか、瞼を....