早桶[語句情報] » 早桶

「早桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
いるその前で眠るように息気《いき》を引き取りましたか。どんなお葬式が出たんです。早桶《はやおけ》はどこで注文なさったんです。わたしの早桶のより少し大きくしないと....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
慄《ふる》えながら新吉は伯父と同道で七軒町へ帰りまして、是《こ》れから先《ま》ず早桶を誂《あつら》え湯灌《ゆかん》をする事になって、蒲団を上げ様とすると、蒲団の....
闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
気象だから、涙一滴|澪《こぼ》さぬで我慢をしていらっしゃるのだ、それだのにお前が早桶の側へ行って、おい/\泣くもんだから不可《いけね》えよ」 定「泣くなってそ....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
碌々に薬も飲まされないで悶《もだ》え死にする。その哀れな亡骸《なきがら》は粗末な早桶を禿《かむろ》ひとりに送られて、浄閑寺の暗い墓穴に投げ込まれる。そうした悲惨....
坑夫」より 著者:夏目漱石
見下《みおろ》した時、自分は再び慄とした。金盥《かなだらい》と金盥の間に、四角な早桶《はやおけ》が挟《はさ》まって、山道を宙に釣られて行く。上は白金巾《しろかな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のが半七の注意をひいた。 やがて葬式が出る時刻になって、三十人ほどの見送り人が早桶について行った。それでも天気になって徳ちゃんは後生《ごしょう》がいいなどと云....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていると、その疑いを解くように彼は説明した。 今から四日前の晩に、湯島天神下の早桶屋伊太郎が何者にか殺された。前にも云う通り、このごろはコロリの死人が多いので....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蘭盆《うらぼん》もめちゃめちゃでした。なにしろ日本橋の上を通る葬礼《とむらい》の早桶が毎日二百も続いたというのですから、お察しください。 それでも達者で生きて....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、猫婆は飼猫とおなじような残酷な水葬礼には行なわれなかった。おまきの死骸を収めた早桶は長屋の人達に送られて、あくる日の夕方に麻布の小さな寺に葬られた。 それは....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
それから又|行きにかゝると、また皺枯た声で地の底の方でぼーずと云うじゃて」 ○「早桶を埋ちまった奴が桶の中でお前さんを呼んだのかね」 僧「誰だと振向いた」 ○「....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
撲って進じようか。」 「ばば茸持って、おお穢や。」 「それを食べたら、肥料桶が、早桶になって即死じゃぞの、ぺッぺッぺッ。」 私は茫然とした。 浪路は、と見る....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
着た坊主が一人に、紺看板に真鍮巻の木刀を差した仲間体の男が、四尺四方もある大きな早桶を荷いで、跡から龕灯を照しました武士が一人附きまして、頭巾|面深にして眼ばか....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
て往く。風を引いたというと直ぐにお医者を呼んで来る。少し病気が重いと思うと直ぐに早桶を買って来る。まさかそんな事もありますまいけれども、多助は少しも隙がありませ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
上っておめでたく成っちまったんですが、その死んだ花魁に死んだ赤子さんを抱かせて、早桶へ入れる時には、実に目も当てられない始末で、叔母さんが紀伊國屋を絶やさないで....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
話の中でも最も僕を動かしたものは「御維新」前には行き倒れとか首くくりとかの死骸を早桶に入れその又早桶を葭簀に包んだ上、白張りの提灯を一本立てて原の中に据えて置く....