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「早熟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早熟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
から推《お》して、それは男向きの品物に違いないと決めてしまった。そして葉子の心は早熟の恋を追うものだと断定した。そして恋というものを生来知らぬげな四十五六の醜い....
放浪」より 著者:織田作之助
いうことだ。エヘラエヘラ笑いながら、姫買いをする所はどこかと道通る人に訊ねると、早熟た小せがれやナ、年なんぼやねンと相手にされなかった。二十三だというと、相手は....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
見せたかったのだが、未だ一年生の同級生を相手では、効果はなかった。許嫁を羨しがる早熟な者もいなかったのである。やがて、だんだんに馬鹿にされていると気がつくと、も....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はいいながら、長三郎も十五歳である。殊に今の人間とは違って、その時代の人はすべて早熟である。若い女に、自分の手を強く握られて、長三郎の頬はおのずと熱《ほて》るよ....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
美木という生徒は、大柄な水々しい少女で、どこの女学校にもきまって二、三人はいる早熟組の一人だった。化粧することを心得、スカートの長さがいつも変って、ノートの隅....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
で脱力させられてしまうような女になりかかって来ていると思われた。復一はこの頃から早熟の青年らしく人生問題について、あれやこれや猟奇的の思索に頭の片端を入れかけた....
食魔」より 著者:岡本かの子
浄めたのち、あらためて一握りの紅葉をもって庭上に撒き散らしたという利休の趣味性の早熟を物語る逸話から聯想して来る与四郎は、彼のような美少年でなければならなかった....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
壇を屋根にしている――人生そのものが、すでに悪魔的なんじゃありませんか」と眼前の早熟児を、薄気味悪いほど瞶めながら、法水は最後の言葉を捉えた。「実は旗太郎さん、....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
言葉はずいぶんうがちすぎていたけれど、私は子供心にうなずいて、さもありなんという早熟た顔をしてみせました。それというのも、もうそのころには、おれは父親に可愛がら....
寡婦」より 著者:秋田滋
しておりました。私はその頃十七でした。 この少年サンテーズが、どんなに驚くべき早熟の子であったか、到底それは御想像もつきますまい。愛情というもののありと凡ゆる....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
女には、たがいに木石でない以上、何事かなければならない。ナエーアは、十二とはいえ早熟な南国ではもう大人であり結婚期である。二人はだんだん、自然の慾求に打ち克てな....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
で置くうちには、一人ぐらいは物になるでしょう。」 むかしの人間は今の人間よりも早熟であった。わたしもその一人であったらしい。その当時まだ八歳ではあったが、団十....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
る新声社の羅馬字|綴りの冠字で、軍医|森林太郎が頭目であると知られた。 鴎外は早熟であった。当時の文壇の唯一舞台であった『読売新聞』の投書欄に「蛙の説」という....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
けろりとして男の前で無意識にも女らしさを見せる恰好が、無意識であるだけ余計に強く早熟な動物的本能のようなものを感じさせて多可子を不快にした。多可子は結核の子供は....
放浪」より 著者:織田作之助
ということだ。えへら/\笑いながら、姫買いをする所はどこかと道通る人に訊ねると、早熟た小せがれやナ、年なんぼやねンと相手にされなかった。二十三だというと、相手は....