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「早目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雨の宿」より 著者:岩本素白
ことの嫌いな私は、ほんの七八日の旅なのに、わざわざ鞄に入れて来た着物と着換えて、早目に床を延べてくれた奥の小間の唐紙を締め切り、入り口の方の部屋のまん中に小机を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
もあり、私はその式に列した。それから平磯へいって講演をしたが、それが九日。十日は早目に帰京するつもりでいたところ、朝五時半から敵機動部隊が鹿島洋、九十九里浜沖か....
怪塔王」より 著者:海野十三
目だよ。この牢獄へはいったが最後、二度と外へは出られないのだ。このへんで、すこし早目にお念仏でもとなえておくがいい」 怪塔王のいうことは、あいかわらず憎々しい....
快走」より 著者:岡本かの子
ったし、両親の相談なぞ知るよしもなかった。ただいつも晩飯前に帰らない父親が今日は早目に帰って来て自分等の食卓に加わったのが気になった。今晩お湯に行きたいなぞとい....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
て、ストーヴを止めたあとも人の薀気で程よく気温を室内に漂わしていた。季節よりやや早目の花が、同じく季節よりやや早目の流行服の男女と色彩を調え合って、ここもすでに....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
気が進まなかったが、約束の稽古日をはずす訳にもゆかないので、栄之丞はいつもよりも早目に夕飯をしまって、一張羅《いっちょうら》の黒紬《くろつむぎ》の羽織を引っ掛け....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
水沢の座敷へもふみ込んで、なにか捜索しているらしかった。由来、この宿の午飯は少し早目なので、けさのように朝寝をした場合には、あさ飯が済むと、やがて追いかけて午飯....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
お花がすこし繋いでいて、それから太夫病気の口上《こうじょう》を述べて、いつもより早目に打ち出した。 お絹がほんとうに人心地の付いたのはそれから半※《はんとき》....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
から|横揺れをはじめ、天候が変って、海上は、風波強いらしく思われた。 そこで、早目の朝食後、余は総員に訓示をあたえた。 「諸君よ、今暁吾々が行う潜行は、祖国を....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
に豹一は弥生座の前で土門と落ち合うことになっていた。 豹一は約束の時間より少し早目に弥生座の前に立っていた。冬の日は大急ぎで暮れて行った。六時を過ぎても土門は....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
華事変の起ったその年の夏であったように思われてくる。 或る日のことである。晩方早目に銭湯に出掛けて見ると、浴客はただ一人ぎりで湯槽に浸っていた。ほどよく沸いた....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
。 が、夫は決して最後の贈物ではなかった。 夫から四五日して譲吉は、社を少し早目に引いて本郷の家へ帰って来た。そして、大通りを曲って自分の家のある路地へ這入....
鮎の名所」より 著者:北大路魯山人
無理な話で、かれこれいうのがおかしい。あゆの味は渓流激瀬で育った逸物を、なるべく早目に食うのでなければ問題にならない。岐阜のあゆも有名ながら、わたしの口にはあゆ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
室へ帰った、多分は叔父も明朝を以て篤と謝する積りで居るのであろう。 翌朝は少し早目に食堂へ行って見た、お浦も早や遣って来て居たが、勿論余とは口を利かぬ。何でも....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
きな連中を腰掛けさせていた。ある老巧の陸軍大佐は、それが見たいばかりに、わざわざ早目に家を出て、群集を押しわけ押しわけ、やっとの思いでそこへ割り込んだものだが、....