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「早足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ついた。はっと思った拍子に彼は、たった今大急ぎでそこに来かかったのだというような早足で、驀地《まっしぐら》に板橋を渡りはじめていた。そして危くむこうからも急ぎ足....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
立って、私の背後へ、足袋の白いのが颯と通って、香水の薫が消えるように、次の四畳を早足でもって、トントンと階下へ下りた。 また、皆、黙ったっけ。もっとも誰が何を....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
ういうと、一平は裏口へ出て行った。 戸外へ出ると一平は、あたりを気にしながら、早足にドンドン駈けだした。彼は電車道を越えて、大久保の長屋町の方に走りこんだが、....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
け寄ってこういう間も、眼は少年の後姿から離さず、また忙しく逸作から離れ、逸作より早足に少年の跡を追った。 美術学校の帰りにむす子は友達と、ときどきモナミへ来て....
海底都市」より 著者:海野十三
姉さんという人に会いたいと思う」 「はい、ヒマワリ軒はすぐこの先です」 僕は、早足のタクマ少年に手を引張られて、人波の中をぐんぐん歩いていった。これが大きなお....
雪魔」より 著者:海野十三
刻も早く、その気味のわるい森から遠ざかりたいためだった。何もしらぬお雪は、五助の早足を恨みながら、息を切らしてついてきたという。 それからまた一里ばかり山を入....
超人間X号」より 著者:海野十三
壊《ぜんかい》に近い大広間の壁の大穴をくぐって、外にでていった。そしてどんどんと早足になって、山道を下の方へとぶように行ってしまった。 やがて怪人の姿は、雨あ....
火星兵団」より 著者:海野十三
と言っているうちに、蟻田博士のからだは、課長の机を離れた。そうして、戸口の方へ、早足で、つつうっと歩いて行く。どうやら、博士は逃げるつもりらしい。 「いいんです....
女客」より 著者:泉鏡花
こっちに這いかかって来るように見えるじゃありませんか。 引込まれては大変だと、早足に歩行き出すと、何だかうしろから追い駈けるようだから、一心に遁げ出してさ、坂....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
しなかったなぞと、女は申しますが、それは早や、気のせいでござりましょう。なにしろ早足で廊下を通りなすったには相違ござりませぬ、さきへ立って参りました女が、せいせ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
和尚が待っているぞ」 「お前は何だって手出しをするの」 尼は顔じゅう真赤にして早足で歩き出した。 酒屋の中の人は大笑いした。己れの手柄を認めた阿Qはますます....
」より 著者:岡本かの子
今日も京子の後からついて来た。京子はそれに反撥する弾条仕掛けのような棘げ棘げしい早足で歩きながらお民を振り返った。 ――まだ踵いて来るの。私、直ぐ帰るから、先へ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ゆるぎというのを行る。 処へ入乱れて三四人の跫音、声高にものを言い合いながら、早足で近いて、江崎の前へ来るとちょっと淀み、 「どうもお嬢さん難有うございました....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
は容易い事だ。毎日一度|大飯を喰って、日比谷の原(その頃はマダ公園でなかった)を早足で三遍も廻れば直き肥る。それには牛肉で飯を喰うのが一番だ。肉が営養があるとい....
耳香水」より 著者:大倉燁子
の男女に押されながらK夫人を見失うまいと注意しつつ外へ出ようとしました時、不意に早足になって夫人は馳け出して往来へ出ました。その後を背の高い男が追って行き、遂々....