昇降口[語句情報] »
昇降口
「昇降口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昇降口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
怒《おこ》っているのが葉子にはおもしろくながめやられた。
いちばん近い二等車の
昇降口の所に立っていた車掌は右の手をポッケットに突っ込んで、靴《くつ》の爪先《つ....
「星座」より 著者:有島武郎
た。
「危《あぶ》ないよ婆さん」
知らない学生が婆やを引きとめた。婆やは客車の
昇降口のすぐそばまで来てまごついていたのだ。そこから人見さんが急いで降りてきた。....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
た。 「ただ、忘れてならないことは、潜《もぐ》るときに、上|甲板《カンパン》への
昇降口が閉まっているかどうか、それは必ずたしかめてからにすること。いいかね」 「....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
と、冷い雨が頬の辺を打った、それが一番著しい変化だった。長大息を一つすると、もう
昇降口から、艦内へ呼び戻されるという次第だった。 夜間の航行は、実に骨が折れた....
「海底大陸」より 著者:海野十三
あるようだ」 ふたりはきまった。では、のこるひとりをだれにきめるか。 そこへ
昇降口から、ドン助教授がいそぎ足でとびこんできた。 「長良川博士。あなたが『鉄水....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
闇はマロニエの裸木を、銅像もろとも、掬い去った。かの女は席を向き直った。運転台や
昇降口の空間から、眩しく、丸の内街の盛り場の夜の光が燦き入った。 喫茶店モナミ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
が、疾走している電車の中からは外を観察すると云う事は困難であるし、それに混雑した
昇降口から降りる時には、そう油断なく外へ気を配ると云う余裕がない。どうしてもそっ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
りようとした。すると、さっき僕について来た私服が、ほかに三人ばかりの私服と一緒に
昇降口の梯子のところに突っ立っていて、通さない。 「もう船に乗った以上は、降りる....
「恐竜島」より 著者:海野十三
びがものがなしくひびかうなかに、船はじわじわと沈んでいった。方々の開放されていた
昇降口から海水が滝のようにとびこんだためであろうが、タイガ号が横たおしになったの....
「怪塔王」より 著者:海野十三
たいへんなことがあるというしらせです。塩田大尉は小浜兵曹長をひきつれて、すぐさま
昇降口をかけあがりました。 軍艦淡路の甲板の上からは、いつに変らぬ九十九里浜の....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
、そのとき、気がついたことがありました。 「青木さん。そんなら、海面へうかんで、
昇降口をあけたら、どうですか」 「そんなことをしては、危険だよ。先に潜望鏡を出し....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
おお飛行島! いよいよ飛行島が見えだしたか。 非番の水兵たちは、だだだっと
昇降口をかけあがってくる。 飛行島上陸 望遠鏡をとって眺めると、水天いず....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
の燈火輝くのみ、四方の物まったく見えずなりしかば、余は詮方なく、船中に唯一個ある
昇降口を下って、船底の寝室に入り、このような時には早く寝ね、夢の間に一夜を過すに....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、遂にはまったく見えなくなってしまう。急速力で走る汽車でヨーロッパを横切り、その
昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数限りない見知らぬ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
小さな札を見つけたので、近寄ってゆくと、子供じみた、下手な文字で、「裁判所事務局
昇降口」と書いてあった。それではこのアパートの屋根裏に裁判所事務局があったのか?....