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「明かし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明かしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
その高慢と欲との鬩《せめ》ぎあうのに苦しめられた彼は、今に見ろ、己《おれ》が鼻を明かしてやるから――と云う気で、何気ない体《てい》を装いながら、油断なく、斉広の....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
直りをしたり――言わば、世間並みの恋人どうしが、するような事をして、いつでも夜を明かした。 日の暮れに来て、夜《よ》のひき明け方に帰る。――あれが、それでも一....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
はがね》に、血を塗ったものでもないのです。名前ですか? 名前は、――さあ、それは明かして好《い》いかどうか、わたしにも判断はつきません。ある男の魂のために、――....
親子」より 著者:有島武郎
。彼は堅い決心をしていた。今夜こそは徹底的に父と自分との間の黒白をつけるまでは夜明かしでもしよう。父はややしばらく自分の怒りをもて余しているらしかったが、やがて....
火事とポチ」より 著者:有島武郎
たちはその家の窓《まど》から、ぶるぶるふるえながら、自分の家の焼けるのを見て夜を明かした。ぼくたちをおくとすぐまた出かけて行った橋本のおじさんが、びっしょりぬれ....
燕と王子」より 著者:有島武郎
よりお話を聞くものがあろうとは思いませんので、しきりとたがいに心のありたけを打ち明かしていました。やがて武士が申しますのには、 「二人は早く結婚したいのだけれど....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
があんまり緑ですから、雲雀は野原だと思っているんでしょう」 とおかあさんは説き明かしました。 とたちまち霧は消えてしまって、空は紺青に澄みわたって、その中を....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
おう。それでなければせっかくいままでにながしたなみだも、苦しみも、ねむらない夜を明かしたことも、みんなむだになってしまうのです。大僧正はいじのわるい、のろいのこ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
「わたしの家には火もありません。」 「それでは、暗やみのなかで、友達のように語り明かしましょう。酒のひと壜ぐらいはお持ちでしょうから。」 「わたしには酒もありま....
可愛い山」より 著者:石川欣一
いた。ここで焚火をして、濡れた衣類を乾かす。私はシャツを貸した。 一夜をここで明かして、翌日は朝から大変な雨であった。とても出られない。一日中、傾斜した岩の下....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
をお目当で……」 とずっきり云った。 「こりゃ仰有りそうな処、御自分の越度をお明かしなさりまして、路々念仏申してやろう、と前途をお急ぎなさります飾りの無いお前....
薬草取」より 著者:泉鏡花
いるその橋の上に茫然と。 後に考えてこそ、翌朝なんですが、その節は、夜を何処で明かしたか分らないほどですから、小児は晩方だと思いました。この医王山の頂に、真白....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
だろうね、お察し申す。」 「はい。」 「一体どんな心持なんだい。何でも悪い夢は、明かしてぱッぱと言うものだと諺にも云うのだから、心配事は人に話をする方が、気が霽....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
二つの沢に挟まれてしまった。これは下りても駄目だと自分は思った。ええままよ一夜を明かしてやれ、星が光るじゃないかとすっかり落着いてしまった。再びあかりは見えなく....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
を明かせとおとよに言う。おとよもそうは思っていたのであるから、省作との関係も一切明かしたうえ、 「わたしは不仕合せに心に染まない夫を持って、言うに言われないよく....