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「明かり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明かりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
の笑い声を後ろにゲエル家《け》の客間を飛び出しました。それはちょうど家々の空に星明かりも見えない荒れ模様の夜です。僕はその闇《やみ》の中を僕の住居《すまい》へ帰....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
怪しげないでたちをしたものの姿が、次第にどこからか、つどって来た。おぼつかない星明かりに透かして見れば、太刀《たち》をはくもの、矢を負うもの、斧《おの》を執るも....
怪塔王」より 著者:海野十三
からに気味のわるい風景です。 そのうちに、小浜兵曹長がとじこめられている部屋の明かりが、海底にさしたものと見えて、魚がゆらゆらとガラス戸のところへ、よって来ま....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
。 と、だしぬけに「待て、賊!」と声をかけて、こちらへ駆けて来る者があった。月明かりに見れば、又しても例の変ったユニフォームを着た刑事だった。 銃声一発! ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
のところで爆発した。 「ちえッ。逃げられた。戸の向こうで、鍵をかけやがった。おい明かりをつけろ。懐中電灯をつけろ。大丈夫だ。今の女は、ここからでていったんだ。そ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
尺もある高いところにぽつんぽつんとついていて、それも縦に長い引込んだ窓であって、明かりを取る窓というよりも建物の飾りについている釦のように見えた。 そしてその....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
とびまわる猿の群のように、すばしこく船内をかけまわる。 「探照灯や室の外にもれる明かりを消せ。目標となるといけない」 船長は、つづいて第二の号令をかけた。 ....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
うに並んでいるのであった。 だが、誰一人として動かない。何の声も聞えて来ない。明かり一つ見えない。 それでも、それがアクチニオ四十五世の一団《いちだん》であ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
にきらめいている星の光りも、強い風に吹き消されるかとばかりに瞬いていたが、その星明かりをせめてもの頼りに、三人は暗い夜路をひたすらに急いだ。 「姫上。お早いこと....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
足音を忍ばせてだんだんに近寄ると、池の岸にひとつの黒い影の動いているのが、水明かりと雪明かりと星明かりとでおぼろげに窺われた。その影はうずくまるように俯向い....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
ころどころに、大きい櫨の木が月のひかりを浴びて白く立っているばかりで、川らしい水明かりは見当らなかった。 どこまでも此の人たちと連立って行くことは出来ない。私....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
そうな風が吹いて通った。堤へ急ぐらしい駕籠屋の掛け声がきこえた。うす暗い行燈の片明かりをたよりとして、お光はしきりに針を急がせていた。 今の栄之丞には妹に春着....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の暗い影を作るようになりましたが、空と水とはまだ暮れそうな気色もみえないので、水明かりのする船端には名も知れない羽虫の群れが飛び違っています。白鳥はどこの巣へ帰....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
絶えた田舎路をこんな女と道連れになって行くのは決して愉快なものではない。せめて月明かりでもあるといいのだが、あいにくに今夜は闇だ。 「じゃあ、あなたはほんとうに....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
持って小屋を出ると、外には風まじりの雨が暗く降りしきっているので、いつもほどの水明かりも見えなかったが、その薄暗い岸の上に一|尾の大きい魚の跳ねまわっているのが....