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明快
「明快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
何んという、簡単な敗北を見なければならないだろう。あまりに簡単だ。しかしあまりに
明快だ。何もかも素直に投げだして、背水《はいすい》の陣《じん》を布《し》いたらし....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
博士を信じていいのではないでしょうか」 多島警視は、総監の質問に対し、いちいち
明快な答を与えたので、総監はたいへん満足の様子であった。そこで警視は、たずねた。....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ス号の観測室から、同じ船に坐乗している護衛艦隊の司令ペップ大佐に対し、適切にして
明快なる指令を発した。 「ペップ司令、われわれは即時トップ・スピードでこの海底地....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
に往復して二人の消息を取り次いだ。省作は長い長い二回の手紙を読み、切実でそうして
明快なおとよが心線に触れたのである。 萎れた草花が水を吸い上げて生気を得たごと....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
鳥度行って調べて参ります。四五日の御猶予を下さいませ」 女史の探偵眼はたいへん
明快であった。どうして、そんな
明快な答が出たのか妾には合点がゆかなかったけれど、....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
収して、近代的な明るい自動車道を切り開き、昔風に言えば関銭を取って自動車旅行者に
明快雄大な風景を満喫させようという趣向だった。だから南北約六|哩の有料道路は独立....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
何事についてでもその男に尋ねるのを常としていた、そしてまた何事についてでもいつも
明快な答を与えてくれた例の強盗殺人君に、この老押丁のことを話しかけた。 「あの爺....
「金属人間」より 著者:海野十三
ときこの室内にいたことになる。おそらくそれが犯人であろう」 検事は、ここまでは
明快な判断をくだした。しかしそのところでかれは、はたとつまった。 「……しかるに....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ないで、明朝まで……。お約束してくださる?」 アンは、仏の傍へすりよって、彼の
明快な返事を求めた。 「お前がそれを欲するなら……」 仏は苦しそうに、応えた。....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
していた方が都合がよいと考え、そのような外套を着こんでやってきたのだ」 帆村は
明快に怪鬼の正体をといた。 網の目のように、体内をはいまわっていた細い電線のよ....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
で動いて行く。それに丁度適応する近代的女性があるだろうか。 かの子 宜い理智から
明快に生きる青年と時代のカスをなめてただ軽薄にその場その場の生活をするのと両方で....
「麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
のような形をした大きい麦わら帽子をかぶっていた。 「さあ、投げますよ。」と、男は
明快な日本語で叫んだ。そうして、こっちの舟を目がけて長い麻縄を投げてくれた。無論....
「穴」より 著者:岡本綺堂
た。彼は手にピストルを持っていた。 「今夜は犬がひどく吠えます。」と、ハドソンは
明快な日本語で言った。「わたくし見まわりにまいりました。こちらの藪のなかに人が隠....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
徒にパッと開いて居ますね」 宮坂は景子の直ぐ傍へ来て今までの鬱屈を晴らすような
明快な声で言い放った。空気と共に花の匂いを一ぱい胸に吸い込むような大きな息もした....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
りあれほど文章がうまいなら、学があるに違いない、したがって字も上手だろうとの至極
明快な三段論法なのだ。親分は中肉中背、眼光は鋭く馬賊の頭目みたいな男。赤裏の黒い....