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「明敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
とんど等しいのであったが、十四郎はまったく過去の記憶を喪《うしな》っていて、あの明敏な青年技師は、一介の農夫にも劣る愚昧《ぐまい》な存在になってしまった。その上....
弓町より」より 著者:石川啄木
し、自己の生活を統一するに実業家のごとき熱心を有し、そうしてつねに科学者のごとき明敏なる判断と野蛮人《やばんじん》のごとき卒直なる態度をもって、自己の心に起りく....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ことができるようになったのである。それより以前では、ラプラスやハーシェルのような明敏な人々でも、今日一般の人がただ日常の経験によって直観的にそう考えていると同様....
去年」より 著者:伊藤左千夫
人の目から見て、僕のごとき者の内面は観察も想像およぶはずのものであるまい。いかな明敏な人でも、君と僕だけ境遇が違っては、互いに心裏をくまなくあい解するなどいうこ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
人が迂回して窓の下に着く頃には、充分戸外へ飛び出してしまうことが出来る。つまり、明敏な犯人はそう云う危険な条件を悟って、昨夜は障碍を一つ除いたのみに止めておき、....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
これその悪しき所なり。勇猛にして無欲清浄にして器量大、廉直にして隠すところなく、明敏にして能く察し、慈恵にして下を育す、好みて忠諫を容るる等、その善き所なり」と....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
の近代に起った野蛮人は、何世紀かの教養と、習練と文化と生活を経て来た処の神経の、明敏にしてデリケートな処の、ヒステリックである処の、そして伝統というものを、その....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
度だって考えたこともありゃしないのさ。 だが僕は、D――の大胆な、思いきった、明敏な工夫力と、彼がその書類を有効に使おうと思うなら常にそれを手近に置かなければ....
風博士」より 著者:坂口安吾
椿事をも黙殺するであろう乎。即ち彼は余の妻を寝取ったのである! 而して諸君、再び明敏なること触鬚の如き諸君よ。余の妻は麗わしきこと高山植物の如く、実に単なる植物....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
く云ったけれども、その眼はただならぬ暗色を湛え、ギロリと六人の車座を見まわした。明敏な読者諸君は、すでに気付かれたことと思うが、小六はさておき、里虹を交えた他の....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
物に至るまでのあらゆるものの配置、色彩の配合、些細なものの節約や、巧妙な手際や、明敏な眼識や、優れた感覚などで得られた優雅な多種多様さと対照、そういうものはそれ....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
メな問題に興味を持つだけの根柢を持たなかった。が、不思議に新らしい傾向を直覚する明敏な頭を持っていて、魯文門下の「江東みどり」から「正直正太夫」となると忽ち逍遥....
」より 著者:カフカフランツ
すべてに対していっそう敏感にさせたわけではないが、彼をいっそう注意深く、いっそう明敏にしたかのようであった。そして、オルガが、なぜあなたはアマーリアのことを気持....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、歴史上の最高の外交家に仕立てたのはこの精神的多芸多才である。敵のなかのもっとも明敏な相手を迷わせ、もっとも用心深いものを欺いた。しかし、妙技のなかの妙技は言葉....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
化を徹見し、着々生活上に運用を図って来ました。これを以て観るに日本民族は、よほど明敏にして実力に自信ある国民であることが判ります。 こういう優秀な素質を有する....