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明暮
「明暮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明暮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
顔色から容子から、野中にぼんやり立たしましたお姿なり、心から地蔵様が気に入って、
明暮、地蔵、地蔵と念ずる。 痛い時、辛い時、口惜い時、怨めしい時、情ない時と、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
し出ださんずる悪計の、人に知られんことを恐れしなりけり。昨日の栄華に引替えて娘は
明暮不幸を喞ち、我も手酷く追使わるる、労苦を忍びて末々を楽み、たまたま下枝と媾曳....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
れを思うと死ぬるも死切れぬと、呻吟いて掻く。――虫より細い声だけれども、五十年の
明暮を、一生懸命、そうした信仰で鐘楼を守り通した、骨と皮ばかりの爺が云うのだ。…....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
尽した。斯うなると、二人が仲にも温かい春の続こう筈はない。年上で嫉妬深いお杉は、
明暮に夫の不実を責めて、或時はお前を殺して自分も死ぬとまで狂い哮った。重蔵は愈よ....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
た。しかし甚兵衛は、もっと大きい喜びがあった。二十六年狙っていた機会が来た。彼が
明暮《あけくれ》望んでいた通り、恩人に大なる危害が迫っている。しかもその危害の糸....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
も、たとい色好みといわるるとも、人妻に恋しかけるような非道なことはなすまじいと、
明暮燃えさかる心を、じっと抑えて来たのじゃが、われらも今年四十五じゃ。人間の定命....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
あった。 「が、この藤十郎も、人妻に恋をしかけるような非道な事は、なすまじいと、
明暮燃え熾る心をじっと抑えて来たのじゃが、われらも今年四十五じゃ、人間の定命はも....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
である。非常な源氏の愛読者で、「これを見れば延喜の御代に住む心地する」といって、
明暮に源氏を見ていたというが、きまりきった源氏を六十年もそのように見ていて倦まな....
「アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
く世と歩をならべる日も,やがては来ましょう.それはほんとうに私たちの切なる望み,
明暮祈っている事で御座います. けれど……愛する私たちの先祖が起伏す日頃互いに....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
い沈ませられて御供もめし上らず御寝もゆっくり遊ばされず、只あてのない情ない事だと
明暮思って居らっしゃいますが、御書を給わってまいりましたものを」とおそばに居た女....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
出来ました、これと云うのも矢張神様のお助けでございます」 文「まア何は扨置き、
明暮其方のことを案じぬ日とてはなかった、宜く達者でいてくれた、人も通わぬ無人島、....
「文七元結」より 著者:三遊亭円朝
は女郎《じょうろ》にならなけりゃアならない、悪い病を受けて死ぬかも知れないから、
明暮《あけくれ》凶事のないように、平常《ふだん》信心する不動様へでも何《な》んで....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
まわりに圃を作り、雑菜の種子を播いて、日々そのなかを耕すようになった。 そして
明暮蔬菜の生長を見て楽んでいるうちに、雲東は自分でも伯雨のまねをしてみずから土に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ど》の旅に来《きた》るなり、 娑婆と冥途は程遠し、 われを冥途の父母と、 思うて
明暮《あけく》れ頼めよと、 幼き者を御ころもの、 もすその中にかき入れて、 哀れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のに、その逆さ怨みが、因縁《いんねん》ずくと思われるほどに骨身に食い入っていて、
明暮《あけくれ》、弁信を憎み憤っていたが、さてその後、弁信は再び彼《か》の土蔵へ....