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「明色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明色の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
である。Leipzig の戸口に赤い灯の附いている家を思い出す。※《ちぢ》らせた明色《めいしょく》の髪に金粉を傅《つ》けて、肩と腰とに言訣《いいわけ》ばかりの赤....
食魔」より 著者:岡本かの子
こでも、味い剰すがゆえにいつも暗鬱な未練を残している人間と、飽和に達するがゆえに明色の恬淡に冴る人間とは極端な対象を做した。鼈四郎は檜垣の主人の暗鬱な未練に対し....
田舎教師」より 著者:田山花袋
いろいろな雲がわきあがった。右には赤城から日光連山が環をなして続いた。秩父の雲の明色の多いのに引きかえて、日光の雲は暗色が多かった、かれは青田を越えて、向こうの....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
/″\斜に落ちては、地上にもんどりうって団子の様にころがる。二本松のあたり一抹の明色は薄墨色に掻き消されて、推し寄せて来る白い驟雨の進行が眼に見えて近づいて来る....
」より 著者:梶井基次郎
快活な、生き生きした海なんだ。未だかつて疲労にも憂愁にも汚されたことのない純粋に明色の海なんだ。遊覧客や病人の眼に触れ過ぎて甘ったるいポートワインのようになって....
処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
そうだ。服装は回教徒のアラビア人と区別がつかないが、外貌はずっときゃしゃで、顔も明色に近い。昔のエジプト人を偲ぶにはコプトを見るのが便利だと注意されたが、今エジ....
文づかい」より 著者:森鴎外
「殊なるかたに心とどめたもうものかな」といいて軽くわが肩をうちし長き八字|髭の明色なる少年士官は、おなじ大隊の本部につけられたる中尉にて、男爵フォン、メエルハ....
冬の王」より 著者:森鴎外
ている。その幅の広い両肩の上には、哲学者のような頭が乗っている。たっぷりある、半明色の髪に少し白髪が交って、波を打って、立派な額を囲んでいる。鼻は立派で、大きく....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
では志ん生の方が菊五郎らしく、双方の芸を色彩にたとえていえば文楽の方がハッキリと明色で六代目らしい。そのくせ一字一劃を疎《おろそ》かにしない文楽の小心さ几帳面さ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
れはどんな術をなさるとも勝手です。 お上はただ早く遣って貰いたいと仰ゃるのです。明色の女(メフィストフェレスに。) あなた、ちょいと。わたくしの顔はこんなに 綺....
痴人と死と」より 著者:ホーフマンスタールフーゴー・フォン
えが》ける絵のほとんど真黒《まくろ》になりたるを掛けあり。壁の貼紙《はりがみ》は明色、ほとんど白色にして隠起《いんき》せる模様|及《および》金箔《きんぱく》の装....