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昏
「昏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
り恍惚《こうこつ》とした、失神の底に、――おそらくは、さめる時のない眠りの底に、
昏々《こんこん》として沈んで行った。
その時である。太郎は、そこを栗毛《くりげ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》の大和尚《だいおしょう》と承わったが、この法師の眼から見れば、天上皇帝の照覧を
昏《くら》まし奉って、妄《みだり》に鬼神を使役する、云おうようない火宅僧《かたく....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ではない。悠々とアビトの裾《すそ》を引いた、鼻の高い紅毛人《こうもうじん》は、黄
昏《たそがれ》の光の漂《ただよ》った、架空《かくう》の月桂《げっけい》や薔薇の中....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
だんは重苦しい眠が、――それ自身悪夢のような眠が、間《ま》もなく彼女の心の上へ、
昏々《こんこん》と下《くだ》って来るのだった。
二
「どうし....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
て歩け」と慷慨《こうがい》した、下級官吏らしい人々が、まだ漂《ただよ》っている黄
昏《たそがれ》の光の中に、蹌踉《そうろう》たる歩みを運んで行く。期せずして、同じ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
薬代の工面《くめん》が出来ない次第ではない。一言にして云えばこの涙は、人間苦の黄
昏《たそがれ》のおぼろめく中に、人間愛の燈火をつつましやかにともしてくれる。ああ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
つけたのを眺めていた。日の色はもううすれ切って、植込みの竹のかげからは、早くも黄
昏《たそがれ》がひろがろうとするらしい。が、障子の中では、不相変《あいかわらず》....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の木版画は大丈夫だが、君や花房君の油絵は危険だぜ。殊に君の『Utamaro の黄
昏《たそがれ》』に至っちゃ――あなたはあれを御覧になった事がありますか。」
こ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
言を囁きしを。ただ、わが心弱くして、飽くまで夫人を誘《さそ》う事能わず。ただ、黄
昏《こうこん》と共に身辺を去来して、そが珊瑚《さんご》の念珠《こんたつ》と、象牙....
「死後」より 著者:芥川竜之介
進《こうしん》するのを避けるために〇・五|瓦《グラム》のアダリン錠を嚥《の》み、
昏々とした眠りに沈んでしまった。……
(大正十四年九月)....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を聞き終ると、素戔嗚《すさのお》は項《うなじ》を反《そ》らせながら、愉快そうに黄
昏《たそがれ》の川を見廻した。
「その高志《こし》の大蛇《おろち》と云うのは、一....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
て来た。が、偽目くらと挌闘中、ピストルの弾丸《たま》に中《あた》った巡査は、もう
昏々《こんこん》と倒れていた。署長はすぐに活《かつ》を入れた。その間《あいだ》に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
失ったようにじっと夫の後《うし》ろ姿を見つめた。それから、――玄関の落ち葉の中に
昏々《こんこん》と正気《しょうき》を失ってしまった。……
常子はこの事件以来、....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
配なのは、今夜逢いに来るお敏の身の上ですから、新蔵はすぐに心をとり直すと、もう黄
昏《たそがれ》の人影が蝙蝠のようにちらほらする回向院前の往来を、側目もふらずまっ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。そのあいだに、イカバッドはあの大きなエルムの木の下の泉のほとりや、あるいは、黄
昏のなかをぶらぶら散歩しながら、娘を口説くのだった。この時刻は恋人が雄弁をふるう....