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「昏睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昏睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ってしまいました。 それから何日か経った後の事です。新蔵はやっと長い悪夢に似た昏睡状態《こんすいじょうたい》から覚めて見ると、自分は日本橋の家の二階で、氷嚢《....
或る女」より 著者:有島武郎
世の寝台のかたわらにいて、熱のために口びるがかさかさになって、半分目をあけたまま昏睡《こんすい》しているその小さな顔を見つめている時でも、思わずかっとなってそこ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
婆も、後から駈けつけてくれた医者も、顔を見合わして吐息をつくばかりだった。医師は昏睡《こんすい》が来る度毎に何か非常の手段を用いようかと案じているらしかった。 ....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
がゆるんで、目がくらみそうに頭がほてって来た。彼女は俯伏したままでまた正体もなく昏睡に陥ったので、お君はそっと寄って上から衾《よぎ》をきせてやった。縁の下では昼....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
心術の霊媒に使うと、非常に、うまく働くんだそうです。早く云うと、帆村君は、紅子を昏睡状態に陥し入れ、その側へ、猿轡をした鬼川を連れて来、紅子を通じて、鬼川の秘密....
地球盗難」より 著者:海野十三
代と大隅学士とを驚かしたことであろうが、幸か不幸か、このとき坊やは異変の為か半ば昏睡状態にあって、丘をすこし向うへ越えたあたりに巨大な手足を抛りだしたままグッタ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
うしてここにいたのか、その子細をたずねようとしても、彼女は気息奄々としてあたかも昏睡せる人の如くである。そこへ他の諸生らも集まって来て、これはおそらく本当の人間....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
け鞄を怪漢のために奪われたのではあるまいか。そしてその代りとして、只の鞄が博士の昏睡体《こんすいたい》の横に置かれてあり、共に目白署に収容されたのではないか。 ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
無味無臭で、誰も毒物が入っていると気がつかない。これを飲んで、識らないでいると、昏睡状態となり、そして遂に仮死の状態に陥すことができる。しかも医師たちはそれを真....
流線間諜」より 著者:海野十三
し心臓の鼓動は指先にハッキリ感ぜられた。 「このままでは、息を吹きかえすと同時に昏睡してしまうぞ。危い危い」 そういって怪人は黒衣の下からマスクのようなものを....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の理性の力などは何の役にも立たないので、よんどころなくその場を引き退がって、その昏睡状態から醒めるまでは再び友達の前へ出られないようなこともあった。 ある時、....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
来ないで、内に大勢熟睡しているとすると、久しからずして皆悶死するだろうが、彼等は昏睡から死滅に入って死の悲哀を感じない。現在君が大声あげて喚び起すと、目の覚めか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ですが、お目ざめになっていましても、どうしてもおっしゃらないのでございます」 「昏睡状態になって、なにもおっしゃりませんでしたか」 「何もお聞き申さないのでござ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。何となく正気でいったように思ったが、看護婦に聞くと注射をしたんだそうで、あとは昏睡ですと。 それも二時間とは続かない、すぐにまた、 (熱々々々!) は情な....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
絞り狭めて行って、考えは暗中ただ一点の吸殻の火のように覚束なくなる。そのとき殆ど昏睡状態の人の手が反射神経で畳の上の錐をふらふら拾い取り手当り次第に、膝を組んで....