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昔の世
「昔の世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔の世の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
も来てみろと云うお心持で、長椅子に掛けていらっしゃったあなたに失望いたしたので、
昔の世慣れない姿勢の悪い青年でいらっしゃらないのに当惑いたしたのでございます。そ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
もなく、古来存在したのであるが、大事なことはこの世論という概念は決してそのような
昔の世論を反映して発生して来たものではないという点である。 Opinion p....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す。そういう心持を底にもっていながら、日常はこれまでと些も変らないように店をやり
昔の世話をやき、体を畳に倒して私が可笑しいことを云うと笑っていらっしゃる。何とい....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、その題は、 おばあさんの目がね ぼくのおばあちゃん、名代のもの知り、 「
昔の世」ならばさっそく火あぶり、 あったことなら、なんでも知ってて、 その上、来....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
な夜が四方から押えつけている。彼は廃墟の跡を訪うような気分に包まれて、今一度遠い
昔の世をふり返ってみるような心地で、我知らず長い間立ち尽していた。 その時廊下....
「後記にかえて〔『教祖の文学』〕」より 著者:坂口安吾
政治家にはなる筈のない生れつきである。 私は今の世に生れたから文士になったが、
昔の世に生れても、決して大名貴人になろうとか、天下の豪傑になろうとは思わず、琵琶....
「風波」より 著者:井上紅梅
に熱くはなかった、豆はこんなに硬くはなかった、と、なんでも皆、今の世の中が悪くて
昔の世の中がいいのだ。まして六斤は彼の祖父の九斤に比べると三斤足りない。彼の父の....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
りが何やら語りはじめたのが、幾とし月聞き馴れたものながら、時代を超越してあたりを
昔の世に引き戻した。頭を剃ったパッチばきの幇間の態度がいかにもその処を得たように....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なあ。
メフィストフェレス
そうです。もう止めても止まりませむ。
結構な
昔の世に戻ったように、
騎士らしく打って廻る音が、もうここへ聞えますね。
籠手や....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ことを思ひいでつあくる程なき夜のねざめに 思ひいでて夜はすがらにねをぞ泣くありし
昔の世々のふるごと なかなかに老いはほれても忘れなでなどか昔をいと偲ぶらむ 道遠....
「山の人生」より 著者:柳田国男
のように、富貴具足の仙界であって、祷れば家具を貸し金銭を授与したなどと、説くのが
昔の世の通例であったのを、人の信仰が変化したから、こんな恐ろしい怪物とさえ解せら....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
って行くと、まじめな信心者だけで集まって、この中座のいうことを聴いていた。それが
昔の世にひろく行なわれた神の口寄せというものの方式だったので、つまりは子どもがそ....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
ば隣り同士仲が良く、境の争いは出来なくなるにきまっています。地図も記録もなかった
昔の世の人たちは、こうしでだんだんにむりなことをせずに、よその人と交際することが....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
の蚯蚓になったという話である。だれが考えだした話かは知らぬが、機にねっしんだった
昔の世の娘たちには、このくらいおかしい話もちょっと類がなく、頸に白い輪のある大き....