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昔年
「昔年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔年の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
柳のかげに休息して涼風に浴するの機会がなく、年ごとに繁ってゆく青い蔭をながめて、
昔年の涼味を偲ぶに過ぎなかったが、わが国に帝国議会というものが初めて開かれても、....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
をした末に、或日富士川さんの家を訪うた。そしてこういうことを聞いた。富士川さんは
昔年日本医学史の資料を得ようとして、池田氏の墓に詣でた。医学史の記載中脚註に墓誌....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、暫くの間も座右を離さなかった。その子権十郎はまたその小壺に書きつけをして、 「
昔年亡父孤蓬庵主小壺をもとめ、伊予すだれと名づけ、その形たとへば編笠といふものに....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
男のい小箭手挾み向ひ立ちかなる間しづみ出でてと我が来る」(巻二十・四四三〇)は「
昔年の防人の歌」とことわってあるが、此歌にも、「かなる間しづみ」という語が入って....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
目的を重大視してはいたが、また失敗しても旅楽を傷つけはしないだろうと考えていた。
昔年、彼が犯罪界の王としてまた巴里において最も有名な人物として、彼はしばしば多く....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
弓矢鎗剣《きゅうしそうけん》、今の軍器としては無用の長物、唯一種の玩具なれども、
昔年は一本の鎗を以て三軍の成敗を決したることあり。昔は利器たり、今は玩具たり。今....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
えり》みる者なく、そが細君すらも悉《ことごと》く虚名虚位に恋々《れんれん》して、
昔年《せきねん》唱えたりし主義も本領も失い果し、一念その身の栄耀《えいよう》に汲....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
かなる経路を取ってかの国に伝えられたかは語っていない。 因にいう。鴎外の文中、
昔年|池辺義象さんの紀行に歌一首があったと思うが、今は忘れたというのは、鴎外自身....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
い、上士は下士に対して恰《あたか》も格式りきみの長座《ちょうざ》を為《な》さず、
昔年のりきみは家を護り面目《めんもく》を保つの楯《たて》となり、今日のりきみは身....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
、事と品によりては旧殿様の家を身代限《しんだいかぎり》にするの奇談も珍しからず。
昔年《せきねん》、馬に乗れば切捨てられたる百姓町人の少年輩が、今日借馬に乗て飛廻....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
人の勉と不勉とによりて移り変わるべきものにて、今日の愚人も明日は智者となるべく、
昔年の富強も今世の貧弱となるべし。古今その例少なからず。わが日本国人も今より学問....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
柳のかげに休息して凉風に浴するの機会がなく、年ごとに繁ってゆく青い蔭をながめて、
昔年の凉味を忍ぶに過ぎなかったが、我国に帝国議会というものが初めて開かれても、こ....