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星月
「星月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
星月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
二十五
それからまた、三四日はすぎたように覚えて居ります。ある
星月夜《ほしづくよ》の事でございましたが、私は甥《おい》と一しょに更闌《こうた》....
「影」より 著者:芥川竜之介
もわ》れに結《ゆ》った半身であった。
鎌倉。
下《くだ》り終列車の笛が、
星月夜の空に上《のぼ》った時、改札口を出た陳彩《ちんさい》は、たった一人跡に残っ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
うとう物色を断念しなければならなかった。
中央停車場の外へ出て、丸の内の大きな
星月夜《ほしづきよ》を仰いだ時も、俊助はまださっきの不思議な心もちから、全く自由....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
彼の荷物だった。 夜の五つ刻《どき》、弁天堂の下の海岸へ出て見ると、降るような
星月夜の下に、波は思いのほかに凪《な》いでいた。六隻の黒船は銘々《めいめい》に青....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
またひとしおの風情じゃのう。 かつら 馴れてはさほどにもおぼえませぬが、鎌倉山の
星月夜とは事変りて、伊豆の山家の秋の夜は、さぞお寂しゅうござりましょう。 (頼家....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
…くらい潮が……ぽうっと燐光にひかる波頭をよせてくる。そして砂上の、ひいたあとは
星月夜のようにうつくしい。だが座間は、どうしてカークとこんなところへ来たのかじぶ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
、三町登って行くうち、真川の小屋は随分大きいのですぐ見つかった。今夜はすばらしい
星月夜で、ランタンもいらぬくらいに明るく非常に助かった。小屋は東南側のものを使用....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
それはそうとここはどこだ?」 四辺《あたり》を見廻わすと小梅田圃で、極月十日の
星月夜の中に、藪や林が立っている。 二 「これは驚いた」と小一郎....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
ン、イペリット、カーボンモノキサイド、どれが欲しいかね」 下は人工灯の海、上は
星月夜、そして屋上は真暗だった。その真暗な屋上に立って、金博士は大きく両手をひろ....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
おもってはいないのです。ほんとうに、そのひととおなじ空気を吸っていて、ふかい海と
星月夜の空をながめるのも、これがさいごの夜になりました。この一夜すぎれば、ものを....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
人傘雨宗匠たるは天下の周知する所なり。僕、曩日久保田君に「うすうすと曇りそめけり
星月夜」の句を示す。傘雨宗匠善と称す。数日の後、僕前句を改めて「冷えびえと曇り立....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
って、あたりの様子をうかがいながら、纜ってある船の方へ行きました。おりから晴れた
星月夜で、河岸の柳が川風に靡いて、女が裾でも乱しているように、乱れがわしく見えて....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
気がない。それでも自身真っ先に立って同じ潜戸から戸外へ出た。首うな垂れた老武士は
星月夜の道をスースーと三間ばかり彼方を歩いている。主馬と朋輩と三人の武士は穿いて....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
内陣の中へ入って行って、何が内陣に置かれてあるのか、ちょっと調べて見たくなった)
星月夜ではあったけれど、森に蔽われている丹生川平は、この夜もほとんど闇であった。....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
行った。用を果たし路を急いで、家近く帰って来た時には、もう丑の刻を過ごしていた。
星月夜の下に静もっている自分の住居を眺めた時には何んとなく心が穏かになった。 ....