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「映ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

映ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
と声ふるえて、後ろの巡査に聞こえやせんと、心を置きて振り返れる、眼《まなこ》に映ずるその人は、……夜目にもいかで見紛《みまが》うべき。 「おや!」と一言われ知....
赤外線男」より 著者:海野十三
神経の発達により、普通の人には到底見えない赤外線までが、アリアリと彼女の網膜には映ずるようになったのだ。普通の人が暗闇と思うところでも、ハッキリ視える。――この....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の境に彷徨する私の胸にはやるせのない不安と寂愁とが絶えず襲うてくる。前者は白幕に映ずる幻燈絵の消えやすきに感ずるおぼつかなさであり、後者は痲痺せし掌の握れど握れ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
目にある極意であった。 正面をさえ睨んでいれば、横竪上下遠近の敵が、自ら心眼に映ずるのであった。と云ってもちろん初学者には――いやいや相当の使い手になっても、....
第四次元の男」より 著者:海野十三
にぱっと消えてしまうまで――二次元の世界の生物には、それは一種の幽霊的現象として映ずるが、われわれ三次元の世界の者をして云わしむれば、それは要するに、一本の大根....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
丈ではあったが又いかにも弱々しそうに、いつも石につまずいて倒れた。真っ赤な夕日に映ずる彼の黒いからだと、まっすぐに開いた彼の両手とは、さながら巨大なる十字架のよ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、此等の通信は単に珍らしいものというにとどまり、又或る人達の眼には、単なる愚談と映ずるであろう。私は決して一般の歓迎を期待して、本書の刊行をするものではない。私....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、この海景の気分をまとめようとあせる。それほどまでにもこの岩礁は誰の目にも異様に映ずるのである。 全画面はかくして、左から右へ、うしろから前へ、絶間なく揺すり....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
東は滄海漫々として、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として清流の富峰の雪に映ずるあり、西は海老取川を隔て云々、大層賞めて書いてある。 この境内の玉川尻に....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
という奴が居る、が偶々その連中が、吾々人間の出入する道を通った時分に、人間の眼に映ずる。それは恰も、彗星が出るような具合に、往々にして、見える。が、彗星なら、天....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ばこそ、高く竜燈の露れたよう二上屋の棟に蒼き光の流るるあたり、よし原の電燈の幽に映ずる空を籠めて、きれぎれに冴ゆる三絃の糸につれて、高笑をする女の声の、倒に田町....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
易いがそうでない所は実に危ない。 そういう危ない間をだんだん登って行く間に雪に映ずる日光の反射のために眼を打たれて、その痛さが甚しいのみならずいかにも空気の稀....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
あり、四百人前後の日本人、なおここに住すという。当地の風俗として第一に旅人の目に映ずるものは、婦人の服装なり。その両袖の張りたるありさまは、蝉または蝶の羽を開き....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
だの、遍路(四国遍路の義)だのといっていたりすることが、はなはだ頻繁に自分の目に映ずるので、再びその毛坊主考を繰り返してみる気になった。そこでさらにこれを精読し....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
るにあったとみております。もちろんこれがそのすべてではありますまいが、外間の目に映ずるところは主としてこうでありました。そしてその結果としては、前にも述べた如く....