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「昨夕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昨夕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ふる》って下《しも》の社説を公《おおやけ》にした。―― 「三菱社員忍野半三郎氏は昨夕《さくゆう》五時十五分、突然発狂したるが如く、常子夫人の止《と》むるを聴《き....
星座」より 著者:有島武郎
たと信ずる奴はなかろう。もしガンベが何か言いだしたら俺はそうだガンベのいうとおり昨夕薄野に行って女郎というものと始めて寝てみたと逆襲してやるだけのことだ。それを....
人間灰」より 著者:海野十三
はK署ですが。あのウ、右足湖を中心とする一帯の風速と風向きとを伺いたいのですが、昨夕から今朝にかけてです。……なるほど、……なるほど」としきりに感心していたが「....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
る? ――日比谷公園の怪屍体――」 とデカデカに初号活字をつかった表題で、昨夕の怪事件を報道しているところを見ても、敏感な新聞記者たちは早くもこれが近頃珍....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
使にこの事を確かめると、さすがに驚嘆の色を泛べて、 「ハイ、さようでございます。昨夕までは仰言ったとおりでございましたが」と躊躇せずに答えた。 それから、左右....
金属人間」より 著者:海野十三
えは、かんたんであり、そして明瞭《めいりょう》であった。 それによると、博士は昨夕《さくゆう》いらい、徹夜実験をつづけていたこと。犯行の音も聞かず、犯人のすが....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
だ。黒茶にレモン一片入れて飲め無えじゃ、人間って名は附けられ無えかも知れ無えや。昨夕もよ、空腹を抱えて対岸のアレシキに行って見るとダビドカの野郎に遇った。懐をあ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
は大方に快癒、鬱散のそとあるきも出来候との事、御安心下され度候趣、さて、ここに一昨夕、大夕立これあり、孫八老、其の砌某所墓地近くを通りかかり候折から、天地|晦冥....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
れようと云うものはなし、しかたがないので、そっとね、姉様が冤の罪を被せられて――昨夕話したッけ――冤というのは何にも知らない罪を塗りつけられたの。納屋の中に縛ら....
獄中消息」より 著者:大杉栄
会革命党万歳! 資本家制度寂滅! * 同志諸君・明治三十九年六月二十二日昨夕六時頃、身受けのしろ百円ずつで、ともかくも一とまず自由の身となりました。 ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
味のいいものではない。いや、野墓、――野三昧、火葬のあと……悚然とすると同時に、昨夕の白い踊子を思い出した。さながらこの蛙に似ている。あっけに取られた時でした。....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
であるが、旅さきの見聞を記すのがこの篇の目当ではない。 件の傘に開けた辻で――昨夕、その時電車を下りて、賑かな、町筋を歩行く。規模は小さくっても、電燈も店飾も....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
礼した。」と、市郎も尋常の挨拶をして、「時に今日来たのは他でもないが、家の親父が昨夕から行方知れずになったので……。」 「まあ。」と、お杉は驚いた顔をした。 ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
果せるかなヤク追いがその辺に居りました。で物を尋ねるとその人のいうには、俺たちは昨夕ここに移って来たばかりだ、これから向うに行くと四つばかりテントがあって人が住....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
らね、とても執念深くって――」 そこへ一人の刑事が入って来て、 「江川百合子は昨夕姉のところへ行くと云って出たぎり、まだ帰って来ないそうです。心当りの処をきい....