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「是非に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

是非にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歌行灯」より 著者:泉鏡花
れ渡った。別にその事について文句は申さぬ。芸事で宗山の留を刺したほどの豪い方々、是非に一日、山田で謡が聞かして欲しい、と羽織袴、フロックで押寄せたろう。 いや....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
げ奉る段、しかと誓いました。すなわち、彼が望みの宝をお遣しになりましたに因って、是非に及ばず、誓言の通り、娘を波に沈めましたのでござります。されば、お送り遊ばさ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
でござりましょう。人足が絶えるとなれば、草が生えるばっかりじゃ。ハテ黒門の別宅は是非に及ばぬ。秋谷邸の本家だけは、人足が絶やしとうないものを、どうした時節か知ら....
高野聖」より 著者:泉鏡花
、私は無理にお尋《たず》ね申します、あなたはどうしてもお話しなさいませぬ、それを是非にと申しましても断《た》っておっしゃらないようにきっと念を入れておきますよ。....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
池に封込んだ。竜神の言うには、人の溺れ、地の沈むを救うために、自由を奪わるるは、是非に及ばん。そのかわりに鐘を鋳て、麓に掛けて、昼夜に三度ずつ撞鳴らして、我を驚....
雪柳」より 著者:泉鏡花
紬だか、何だか、地紋のある焦茶の被布を着て、その胡麻塩です。眉毛のもじゃもじゃも是非に及ばぬとして、鼻の下に薄髭が生えて、四五本スクと刎ねたのが、見透される。―....
中支遊記」より 著者:上村松園
光華門にて 南京の城内には博物館があると聞いた。私は大きな収穫を期待し、是非にと見物に出かけたのだが、先ず第一に絵画というものが新古ともに無いのに失望し....
私の仕事 松篁の仕事」より 著者:上村松園
二十年来の画債整理と、皇后陛下よりの御用命に依り、双幅藤原時代美人数名の揮亳完成を期するために、今度は是非に謹製致したいと思いながら、遂に三年許りの歳月が過ぎて了いました。今年は是非....
階段」より 著者:海野十三
立科学研究所の部長級にも栄進し、郊外に赤い屋根の洋館も建てられ、大学総長の愛嬢を是非に娶ってもらいたいということになり、凡ては小学校の修身教科書に出ているとおり....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
ろうか。一生のお願いだ。哀れなる烏啼天駆を助けてくれ」 「うん。外ならぬ貴公から是非にと頼まれたのは前代未聞じゃから、何とかしてあげたいものだ。どうするかね、こ....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
いた。顔色を変えてカンカン寅の留守宅へ行って、いままでの事情を話すと共に、この際是非に融通を頼むと歎願をした。しかし留守を預る人達は、老人の話を鼻であしらって追....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
むずかしい金のかかるものは、お前の柄じゃないぞ」 「いえ博士、そう仰有らないで、是非にお願いいたします。今こそ孤島に小さくなっていますが、昔日の太陽を呼び戻すに....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
つ通学しているのだが、いつの間に聞き出したか、桂田博士と月野博士の計画を知って、是非にお伴をさせてくれるようにと、蒼蠅く頼んで何といっても肯かないので、博士も遂....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
そうな声がきこえた。 「案内は誰じゃ。」 「これは都の者でござりまする。御庵主に是非にお目にかからいでは叶わぬ用事ばしござりまして……。ここお明け下され。」 ....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
えで ああ、これ、なんとなさる。おまえは物に狂われたか。 夜叉王 せっぱ詰まりて是非におよばず、拙き細工を献上したは、悔んでも返らぬわが不運。あのような面が将軍....