昵近[語句情報] »
昵近
「昵近〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昵近の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ことがないね」
ちょいちょい納品《おさめもの》を持って行くうちに、直《じき》に
昵近《ちかづき》になった被服廠の役員たちが、そう云って、てきぱきした彼女の商《あ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をもっていることは知っているだろう。いや、知っているはずだ。お前の亭主はあの熊と
昵近だというじゃあねえか。まあ、それはそれとして、お前は今の魚商と何をこそこそ話....
「足迹」より 著者:徳田秋声
拵えたり、持物を買ったりして景気づいていたが、湯島|界隈の料理屋にもちょいちょい
昵近の女があった。お庄と一緒に歩いている時、磯野は途で知った女に逢うと、こっちか....
「爛」より 著者:徳田秋声
。情婦の母親が、菓子折や子供への翫具などをもって、ある日浅井の留守に、奥さんにお
昵近になりたいといって、挨拶に来たことが、一層お増の心を、深い疑惑の淵に沈めた。....
「ほととぎす」より 著者:堀辰雄
の禅師の君はいま京に住まっておられた。その禅師の君と、その話を持ち出した女房とが
昵近《じっこん》の仲だったのである。で、すぐその禅師の君に話をしに往ってくれたが....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
と、早速にまたたびたび催促の使者を差し向けた。延徳二年の秋には葉室家が義植将軍に
昵近《じっきん》なのを利用し、葉室家に頼んで土岐への御奉書を出してもらった。翌年....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
婦《せんぷ》の裳衣だった腐敗物の傍に沈溺《ちんでき》する。それは友愛以上であり、
昵近《じっきん》である。脂粉を塗っていたものもすべて顔を汚す。最後の覆面も引きは....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
が出ている。それがしかも頗る熱心に真面目に説いてある。一言にして尽くせば、自分の
昵近な人の間に何か不吉なことがあると、それが必らず前兆になって現われる。いかなる....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
通り一遍の面識者ばかりじゃなかった。沼南と仕事を侶にした提携者や門下生的関係ある
昵近者さえが「復たユックリ来給え」で碌々用談も済まない中に撃退されてブツクサいう....
「それから」より 著者:夏目漱石
藩主の菩提寺《ぼだいじ》で、そこにいる楚水《そすい》という坊さんが、二人の親とは
昵近《じっこん》なので、用の手紙を、この楚水さんに渡しに行ったのである。用は囲碁....