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昼餐
「昼餐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昼餐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
あった。
一人の嫂《あによめ》が自分にはこういろいろに見えた。事務所の机の前、
昼餐《ひるめし》の卓《たく》の上、帰《かえ》り途《みち》の電車の中、下宿の火鉢の....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
を澄している様子であった。 彼等は自動ピアノの据え附けてあるレストランで、軽い
昼餐をとった。そこを出てしまうと、彼は突然思い出したことがあるかのように、親友へ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ると長官は云い、堀はその上官に連れられてまかり出た。まことに鄭重《ていちょう》な
昼餐《ちゅうさん》の饗応を受けた。それだけのことなのだ、だが、それだけのことが、....
「南路」より 著者:宮本百合子
いるのである。 然し、歩けば歩くほど、市中の喧囂に深入りしてしまう。 生憎、
昼餐の前後なので、歩道という歩道は、暫時外気を楽しむ事務員や店員やで、溢れるよう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うるてふ俗信が生じた。ドイツの古話に、蛇の智慧ある王一切世間の事を知る。この王|
昼餐《ちゅうさん》後、必ず人に秘して一物を食うに、その何たるを識《し》る者なし。....
「男女交際より家庭生活へ」より 著者:宮本百合子
い週日《ウイークデー》の中から取除にされています。日曜は十一時頃から教会に行き、
昼餐は料理店《レストラン》ですませて市外の公園にゴルフをしに行ったり夫婦で夕暮ま....
「或る日」より 著者:宮本百合子
ども、話されることが可笑しいので、笑うまい笑うまいとしてつい失笑するのであった。
昼餐の時は其でよかった。けれども、もっと皿数の多い、従ってもっと楽しかるべき晩食....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
を、盲目的に信じていた。神秘的な、そしてまた恐ろしい意味かもしれない。修道院長の
昼餐の始まるまでにと思って(もちろん、ただ食卓に侍するために)修道院をさして庵室....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
来るの軽挙を冒すほどには、進んでいなかったのである。翌日、クンツはシュルツの家で
昼餐《ちゅうさん》をともにする約束だった。シュルツは心配そうに空をながめた。
「....
「決闘」より 著者:神西清
にそうでございますよ。まるで嘘みたいな話ですけど、ガラトィンスキイのお屋敷では、
昼餐はもとより、朝御飯のときまで第一公式で出なければいけませんの。だものですから....
「縁談」より 著者:佐藤垢石
待っているから、こちらは山岡を連れて揃って行く。そこから四人打ち揃って、どこかへ
昼餐を食べに行こうという手筈になったのである。 約束の日は、土用に入る前のかん....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ょうきょう》。 六、カランカランと鳴る鐘は旅館《ホテル》や下宿《パンション》の
昼餐の合図。あちらの|正通り《ブウルヴァル》、こちらの丘でそれが音色さまざまに触....
「雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
雪が降ったのだ。凍れる朝を長野にいって、Kを驚かし、やまやという感心もせぬ旅宿に
昼餐《ちゅうさん》したため、白馬山におくられ、犀川よぎり、小諸《こもろ》のあたり....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
、この講話を終った。 講演後、渡辺徳太郎君の訪問をうけ、同君に誘われて千歳亭で
昼餐の饗応に預った。同君は多年山形商業学校校長を勤められ、県立図書館長を兼ねて、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
遊戯に加わった。それに正午にはまだかなりの間があるうちから、しきりに腹が空いて、
昼餐の合図の銅鑼ばかりが待たれて困った。ベルを押すことベルを押すこと。 「紅茶を....