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「時代の寵児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時代の寵児の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
縮図」より 著者:徳田秋声
さえ感じさせたこともあったが、明治時代の政権と金権とに、楽々と育まれて来たさすが時代の寵児であっただけに、その存在は根強いものであり、ある時は富士や桜や歌舞伎な....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
るための概念なのである。 問題は性格的である。それは時代の血を引いている限り、時代の寵児であるであろう。かくて性格的問題――それが問題らしい問題である――は常....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
だから、京洛中では、それイサミがくると言えば泣く児も黙る、ああなると近藤勇もまた時代の寵児《ちょうじ》だ。あれを見ると、衰えたりといえども幕府の旗本にはまだ相当....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
きよせる。それと違つて、何の技巧も施さず自然にお客がよつてくるのだから、たゞもう時代の寵児、単なる時代のイタヅラの私生児のやうなものでもあつた。何だい、毎日うる....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
ギターが自慢で、不遇なギター弾きの深刻な悲恋か何か演じれば巧技忽ち一世を風靡して時代の寵児となるのだけれども、それが分りすぎるから同僚の嫉みに妨げられて実現でき....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の中央の地から、武蔵の名は、相当に当時でも喧伝されていたはずである。――そうした時代の寵児が、余りにも今日、遺されている事蹟の少ない点から見ても、彼の旅は、また....