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時代相
「時代相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時代相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
も、文学的にはドストエフスキイ、シュストフが流行し、社会的に軍部独裁、戦争激化の
時代相に、自分の生の行動哲学として、ヒュウマニズムと日本の封建倫理や浅薄なニヒリ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
飛ぶという時代ですから、悪い奴も自然こそこそが多かったんですね。それでも又、その
時代相応に悪知恵をめぐらす奴があるので、やっぱり油断は出来ないことになっていまし....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
極めて「経済的」に出来ているのだ。 (一九三五―七) 24 出版現象に現われた
時代相 一九三一年の満州事変を契機として、マルクス主義的社会科学の出版は著しく....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
る。 尤も非常時と云っても、初めは右翼思想団の直接テロ行動が頻発して困るという
時代相を指すのかと思っていると、実はそれよりも待ちに待たれる一九三五、六年が近い....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
組織的となり苛烈となったことは、三六年度の特色である(戸坂潤「出版現象に現われた
時代相」―『文芸春秋』一九三六年一一月号〔前掲〕)参照。言論統制は思想取締りばか....
「新感覚論」より 著者:横光利一
「風流」なるものと等しく物さびたある批評家達の頭であろう。風流なるものは畢竟ある
時代相から流れ出た時代感覚とその時代の生活の感覚化との一致を意味している。これが....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
人を思出すと、時代の子という感を深くする。この人たちのそうした道にゆく心の動きと
時代相を、もっとよく知ってるものにきかせてもらったならば、鬱勃《うつぼつ》たる野....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
。 藤原時代と比較することをば、先ずこのくらいにしておこうが、次には足利時代に
時代相当の交通の不便と危険とを認めた上に、さてそれらの不便や危険等が相当の人々か....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ことについていろいろ書いてほしいと云います。面白いからひきうけた。私は、「伸子」
時代相当傾倒したのだから。感覚の上でのことですが、現実をつかんでゆく。今どう考え....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けでは、それらにふたたび陥るのを免れるものではない。長い困難な努力が必要である。
時代相伝の怠惰な習慣の重い遺産をもちながら、現代の社会において、まったく真実たら....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
ったという宗教的霊覚がなければならぬのは勿論であるが、さらに特に己れの生きている
時代相への痛切な関心と、鋭邁な批判と、燃ゆるが如き本能的な熱愛とをもっていなけれ....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
姿さえ、何となく美しいものに感じられるが、久女の水汲女の生活にあえぐ姿は、激しい
時代相を裏付けているのである。 み簾さげて誰が妻ならん舟遊び 秋色 の歌麿の....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
の上にほうきをバタンと投げ出して、いきなりパタパタとはたきをかけ始める。これで娘
時代相当にお茶をやつたというのだから、あきれる。そして、彼女の言葉はまたそのお作....
「山の人生」より 著者:柳田国男
あった中に、特に閻魔に児を申したというのは、別に近代の母親の相続せざる、一種戦国
時代相応の理想があったためかと思う。そうではないまでも大王が事を好み、余計な迷惑....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
同時にもし是より以外の材料に由って、この変遷して痕をも留めざらんとする農村生活の
時代相を、認識せしむるの途が無いとすれば、いかに小さな事柄であっても粗末にしては....