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「時正〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時正の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
川中島合戦」より 著者:菊池寛
に国家の安否をつけるべきなり云々」とあるから、謙信が覚悟のほども察すべきである。時正に秋も半、軍旅の好期である。飯山に出でた謙信は、善光寺にも止らず、大胆不敵に....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
かった。つまり思わぬ新手の出現で、楠軍の突進隊は後方から切断された訳だ。 此の時正行の手兵僅かに三百。なおも果敢な肉迫戦を続けて行く中、流石の師直の本陣もさっ....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ことだろうがさて何処へ移したかな? これは是非とも調べなければならない」 その時正面の襖が開いた。だが、一杯に開いたのではない、ほんの細目に開いたのであった。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
その人はすでに上田藩の方へお預けの身となっていることを知った。ことにその捕縛の当時正胤の二条|衣の棚の家で、抵抗と格闘のあまりその場に斬殺せられた二人の犠牲者を....
」より 著者:島崎藤村
夫婦の眼は笑っていた。 川の見えるところに近く、三吉は正太と相対に坐った。その時正太は苦しそうな眼付をして、生活を縮める為にここを立退こうかとも思ったが、折角....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
て、これを松坂と呼んだ。前の居城松ヶ島の松の字を目出度しとして用いたのである。当時正四位下左近衛少将に任官し、十八万石を領するに至った。 小田原陣の時、無論氏....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
また同じ声がどこからともなく響いて来た。 「勝負なし!」 と声は続く。 その時正面の切り戸から悠然と立ち出でた小兵の人物、年格好は五十五、六、木綿の紋付に黄....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
十一日目に入七日の間を彼岸という、昼夜とも長短なく、さむからず、あつからざる故|時正といえり。彼岸仏参し、施しをなし、善根をすべしとある。 彼岸七日の真中を中....
範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
――に違いない。そして吾々にとってそれで充分である。何となれば人々がかく区別する時正にその時、人々が空間のことを思い浮べていることは明らかであり、そして私の云う....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
真上に来る日である。この日我が皇室では皇霊祭を行わせられる。仏教では彼岸の中日|時正の日で、一切の諸仏三世の諸尊および無数万億菩薩説法して衆生に楽しみを与うとい....
岩田豊雄と私」より 著者:岸田国士
戯曲の翻訳と演出のほかに、戯曲を二篇書いている。その一つ「東は東」などは、発表当時正宗白鳥から絶讃を浴びた。なにを感じてか、それきり劇作の筆を絶ち、専ら小説を書....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の哀調を含んだ、しかものびやかな調べである……。 二十三 その時正面の扉をあけてマハラヤナ博士がはいって来たが、レザールのいるのも気がつかない....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ケです。お医者さんには機械の故障がどこにあるのか分らないのだ。ただ、そうやると一時正常に返ることがあるようだから、電気やインシュリンでショックの療法をやる。お医....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
官だ……さあ出来るだけ逃れるんだ』と云って食堂を駈け出そうとする。 しかしこの時正気付いたボーシュレーは苦しい声を絞って、 『首領。見捨てて行くんですかい、こ....
活人形」より 著者:泉鏡花
右衛門待受けて、彼はお藤を背に荷い、これは下枝を肩に懸けて、滑川にぞ引揚げける。時正に東天紅。 暗号一発捕吏を整え、倉瀬泰助|疾駆して雪の下に到り見れば、老婆....