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時流
「時流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
》」に売っている月耕《げっこう》や年方《としかた》の錦絵《にしきえ》をはじめ、当
時流行の石版画《せきばんえ》の海はいずれも同じようにまっ青《さお》だった。殊に縁....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い。
すると或評論家は特に学識に乏しかったのではない。唯《ただ》聊《いささ》か
時流の外に新例を求むるのに急だったのである。その評論家の揶揄《やゆ》を受けたのは....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
作文とだった。そして最近では、学課は大がいそっち除けにして、前にも言ったように当
時流行のロマンティクな文学に耽っていた。そして僕はその作物や作者の自由と奔放とに....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いて百僧に茶を賜うと書物に見えている。茶の葉はたぶん遣唐使によって輸入せられ、当
時流行のたて方でたてられたものであろう。八〇一年には僧|最澄茶の種を携え帰って叡....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
。 彼の豪奢の絶頂は、寛正六年三月の花頂山の花見宴であろう。咲き誇る桜の下で当
時流行の連歌会を催し、義政自ら発句を作って、 「咲き満ちて、花より外に色もなし」....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
帆村荘六の事務所へでかけたのだった。 帆村の探偵事務所は、丸の内にあったが、今
時流行らぬ煉瓦建の陰気くさい建物の中にあった。びしょびしょに濡れたような階段を二....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
行のいちまつと洒落れている。いやどうも……柿の渋は一月半おくれても、草履は駈足で
時流に追着く。 「これを貰いますよ。」 店には、ちょうど適齢前の次男坊といった....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
二段の腕を持ち、碁は実際初段うてた。それ等がたよりで、隠居仕事の寮番という処を、
時流に乗って、丸の内辺の某|倶楽部を預って暮したが、震災のために、立寄ったその樹....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
読者に投ずることが出来なかったのである。そうしてさまざまに新しさを追ったものの、
時流には抗し難く、『釈迦八相記』(倭文庫)『室町源氏』なども、ついにはかえり見ら....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
く、新築祝の設備としてだけの意味しかなかったにちがいない。そんな新奇な装飾品が当
時流行しかけていた。父の負けじ魂の性癖から、一時の物として、つい奮発することにな....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
民衆の知的粉飾とさえみられるものである。 この「日本人的反省」の型は、あたかも
時流に投じたように、ジャーナリズムの紙面にあふれ、街頭を流れる癇高い声となつた。....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
寄せられたる書状によるに曰く、 名古屋、岐阜をはじめ尾濃いたるところ、当春来一
時流行せしものは、その称を狐狗狸また御傾きと名づくるものなり。その方、生竹の長さ....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
間的な名利とか名声とかいうものから超越していなければならぬという意味なのである。
時流を超越しなければならぬというのである。こういう点では彼は平常からかなり細心な....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
、この偉大な仁清の作品に着眼し、これが再現を期すべく発奮した翁の愛美心と勇猛心と
時流を厭きたらずとする努力には、さすが前山翁であると、私もその企図的精神に感歎し....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
らって、七五調の長大な和讃が生れてくる。歌謡の方では、古代の長歌・旋頭歌なども一
時流行の体であって、後から新しいものが取ってかわって行ったように、短歌の体もまた....