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晩冬
「晩冬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩冬の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
のなすべきことは終わったと考えて、その他のことは花みずからの身の上話にまかせた。
晩冬のころ茶室に入れば、野桜の小枝につぼみの椿の取りあわせてあるのを見る。それは....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
美しさは、春や秋のは言わばデパートメントの売り出しの陳列棚にもたとえつべく、今や
晩冬の雪ようやく解けて、黄紫赤褐にいぶしをかけし天然の肌の美しさは、かえって王宮....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
の小脇に抱え、右手を外套のポケットにつっ込んで、首垂《うなだ》れながら、荒凉たる
晩冬の野を帰って来た。兎もすると、彼の足は引ずり加減になっていた。自分の製作に対....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
されていた。裸の黒い樹木が立っている紫色の地面の上には、靄《もや》が漂っていた。
晩冬の太陽、褪金色の若い太陽が眠っていた。光ってる矢のように、小鳥が空中を飛んで....
「立札」より 著者:豊島与志雄
定かでありません。 さて、事もなく年月は流れて、朱文がこの町にきてから七年目の
晩冬初春のことでありました。何かしら険悪な空気のなかに、さまざまな風説が伝わって....
「地上」より 著者:島田清次郎
を開いたまま涙をこぼした。 三月の三十日、ほんの二、三日のうちに暖かさを増した
晩冬の太陽が街上を流れる雪どけの水に映る日であった。お光は寒気がするので離室で寝....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
巻 同年同月 『兵士懐中便覧』 慶応四年七月 『洋兵明鑑』 明治元年
晩冬 「彼の著作は、今|浩瀚《こうかん》なる十七巻の全集として行われているが、....