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「普門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

普門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を楽しんで待っていた。千枝松もきっと約束の時刻をたがえずに来て、二人は聞き覚えの普門品《ふもんぼん》を誦《ず》しながら清水へかよった。 その藻をそそのかして、....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
そこでその頃の人だから、神仏に祈願を籠めたのであるが、観音か何かに祈るというなら普門品の誓によって好い子を授けられそうなところを、勝元は妙なところへ願を掛けた。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、『四分律蔵』に邪眼、『玉耶経』に邪盻《じゃけい》、『増一阿含』および『法華経』普門|品《ぼん》また『大宝積経』また『大乗宝要義論』に悪眼、『雑宝蔵経』と『僧護....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
下さ血だらけで、あのこわれ屋の軒の上へ。……わあ、情ない。……お救い下され、南無普門品、第二十五。」 と炉縁をずり直って、たとえば、小県に股引の尻を見せ、向う....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
気がしますものですから、そこで弁信は容《かたち》を改めて、妙法蓮華経観世音菩薩|普門品《ふもんぼん》第二十五を、最初から高らかに誦《ず》しはじめました。 経を....
蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
唐紙の巻物をくり拡げる。写すのは、法華経の四要品とされている、方便、安楽、寿量、普門の四品である。そのむつかしい漢文を一字一字入念に写してゆく。いくら時間がかか....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
ここでは説かないことにしなければならない。口碑によれば、むかし豊島郡石浜にあった普門院という寺が亀戸村に換地をたまわって移転する時、寺の什物いっさいを船にのせて....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
海鼠壁が長く延びている。その海鼠壁をぬきんでて、お庭の植え込みが繁ってい、右側は普門院常照寺で、白壁が長く延びている。それの間にはさまれている道を、松平備後守の....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
弾ば持っていたそうな! 男一 あーん! すっと、すっと、その爆裂弾、すっと、今、普門院の本堂に積んであつ訳か! こりゃ大変じゃ! 男二 あんしろ、政府ばでんぐり....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
下に白無垢二つを重ねて本繩を打たれ、襟には水晶の数珠《じゅず》を掛け、口に法華経普門品《ほけきょうふもんぼん》を唱えながら馬に揺られたお銀の姿が、栄太と共に江戸....
日和下駄」より 著者:永井荷風
松《すえひろまつ》、青山竜巌寺《あおやまりゅうがんじ》の笠松《かさまつ》、亀井戸普門院《かめいどふもんいん》の御腰掛松《おこしかけまつ》、柳島妙見堂《やなぎしま....
芸術三昧即信仰」より 著者:上村松園
術三昧のうちに、信仰を抱いていくようになった。それにわたしの母が熱心な仏教信者で普門品などを誦しているうちに、今では全部覚えてしまいました。だからと言ってわたし....
活人形」より 著者:泉鏡花
たりけるを、得三に見出されて、さてこそかくは悪魔の手に斬殺されんとするものなれ。普門品、大悲の誓願を祈念して、下枝は気息|奄々と、無何有の里に入りつつも、刀尋段....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ば持っていたそうな! 男一 あーん! すっと、すっと、その爆裂弾、すっと、いま、普門院の本堂に積んであっ訳か! こりゃ大変じゃ! 男二 あんしろ、政府ばでんぐり....
私本太平記」より 著者:吉川英治
せ」 「どうして」 と、意地わるく、 「さいぜんから見ていたが、一人の客へは、普門品の一句へ、紅筆で蓮華散らしを描いて与え、老婆の客へは、空也和讃の一章を、葦....