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晴れがましい
「晴れがましい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴れがましいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
そうしてその一人の男が、今夜私を殺しに来るのだ。この燈台の光でさえそう云う私には
晴れがましい。しかもその恋人に、虐《さいな》まれ果てている私には。」
袈裟《け....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
十三日目の晩に、六三郎は手拭に顔を包んでそっと福島屋へ訪ねて行った。今の身の上で
晴れがましい遊興はできない。彼はお園を格子口まで呼び出して、そのやつれた蒼白い顔....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ここに群れ集まった。濡るるとも花の蔭にてという風流の案内であったが、春の神もこの
晴れがましい宴《うたげ》の莚《むしろ》を飾ろうとして、この日は朝から美しい日の光....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
るされた籠の中の、駒鳥の快い鳴き声を寝台の上でききながら、太公が彼に勲章をくれる
晴れがましい情景《シーン》を想像してみた。 イワノウィッチは、まったく得意であ....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
ぞ参りおった。すぐ通せ! 目通り許すぞ」と、呼ばれたが、この頃絶えて見えなかった
晴れがましい微笑が、頬の辺に漂うた。 しばらくすると、忠直卿の目の前に、病犬の....
「わが町」より 著者:織田作之助
と、言った。 「いや、おおけに。そうなったら、わいも一生一代の人力で、えらい
晴れがましいとこやけど、他あやんなんぜまたこんな時に病気したんやねん。わいの師匠....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かわして、にぎやかに、またにこやかにわらっていました。そのあいだも、音楽は、この
晴れがましい夜室にひびきつづけました。 夜がふけていきました。それでも、人魚の....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
ら口へその徳が語り伝えられて一発ごとにオナラが人々に歎賞されるような思いがけなく
晴れがましい数日をすごすことができた。 ところが唐七の妻女ソメ子だけが甚しく不....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、せつ子はハラをきめたから、平静を失わなかった。 何も怖れることはない。むしろ
晴れがましいガイセンだった。銀座がせつ子を迎えている。 せつ子のカバンの中には....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
い。海千山千の経験者に打ち明けるには大事を要するし、見込み通りとなれば一世一代の
晴れがましい成功となる。彼にとっては生れて以来の大事件で、思えば思うほど心が波立....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
お高祖頭巾 といって、今|流行っていない髷を結ったりすることは、随分
晴れがましいものでもあります。それだけ人目に立つわけなのですから、ほんとうにいい....
「京のその頃」より 著者:上村松園
た髪の風情は、特に美しい人のためにこそ引き立ちもし、生えさがりの短い人など却って
晴れがましい程だ。 五つ六つくらいの子の、ようやく髪の伸びかけたのは先ず「お莨....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
代の歌人、日本一の文者と呼ばれる兼好に、正面からこう褒められて、小坂部はさすがに
晴れがましいような顔をうつむけた。その昔、なにがしの君が大堰川のほとりで蹴鞠の遊....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ていることがわかっていたが、もう避けることができなくなっていた。そのため、こんな
晴れがましい場合であっても、商用外出やちょっとした出張旅行を命じられると――また....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
茶碗でありますが、御承知の抹茶茶碗でありますが、これは茶の会を致しました時に一番
晴れがましいものであります。次にさらに
晴れがましいのはなにかと申しますと床の間の....