晴れ晴れしい[語句情報] » 晴れ晴れしい

「晴れ晴れしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

晴れ晴れしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
した自分の穽《おとしあな》にたわいもなく酔い始めた。葉子はこんな目もくらむような晴れ晴れしいものを見た事がなかった。女の本能が生まれて始めて芽をふき始めた。そし....
阿部一族」より 著者:森鴎外
、よそよりは早く咲く領地|肥後国《ひごのくに》の花を見すてて、五十四万石の大名の晴れ晴れしい行列に前後を囲ませ、南より北へ歩みを運ぶ春とともに、江戸を志して参勤....
」より 著者:夏目漱石
日影をすかして見て、 「本当にありがたいわね。ようやくの事春になって」と云って、晴れ晴れしい眉《まゆ》を張った。宗助は縁に出て長く延びた爪を剪《き》りながら、 ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
かなどんよりとして北国の冬空のように曇っていた。もっとも平常《ふだん》からあまり晴れ晴れしい眼ではない。誇大な形容詞を用いると混沌《こんとん》として黒眼と白眼が....
新世帯」より 著者:徳田秋声
式を済ますはずであった。あながち金が惜しいばかりではない。一体が、目に立つように晴れ晴れしいことや、華やかなことが、質素な新吉の性に適わなかった。人の知らないと....
石狩川」より 著者:本庄陸男
、と」と松岡は手を揉《も》みながら阿賀妻を先に立てた。 「棟梁は?」 「すっかり晴れ晴れしい顔をいたしまして」 「薄氷をふんで、ついに渡ってしもうた、か――松岡....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
わしいような心持になって行く自分はどうしたものだろう。気が進まない。 お雪は、晴れ晴れしい神主のことから、かえって暗い気持を、自分の胸に感得しました。 ああ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
の容器は、それでも、黄金の大盃と同様に壺から熱い物をなみなみと受け入れた。ボブは晴れ晴れしい顔附きでそれを注いでしまった。その間火の上にかかった栗はジウジウ汁を....
源氏物語」より 著者:紫式部
あったから、山の紅葉も珍しい気がしてながめられた。毀ったあとへ新たにできた寝殿は晴れ晴れしいものになっているのであった。簡素に僧のように八の宮の暮らしておいでに....
源氏物語」より 著者:紫式部
を出したものであると思った浮舟の姫君は、気分が悪いと言って横になった。 「時々は晴れ晴れしい気持ちにもおなりあそばせよ。惜しいではございませんか、青春を沈んでば....
旅人」より 著者:宮本百合子
人物 旅人 子供三人 A 無邪気な晴れ晴れしい抑揚のある声の児 B 実用的な平坦な動かない調子で話す児 C 考え深....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をほんとうだと信じたかった――反対だとよく知ってはいたけれど。それに彼女は、弟の晴れ晴れしい元気を、清い空気を、ことに休息を、深く楽しんでいた。幾年もの恐ろしい....
小説 円朝」より 著者:正岡容
の純情という紺絣を取り戻し、抱きしめ、初々《ういうい》しく身に着けている、何とも晴れ晴れしい心地がした。勇気百倍。凜々としたものが、はち切れそうに身体全体へ満ち....