智識[語句情報] » 智識

「智識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

智識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
エトを、実験もせぬ化学の方程式を、欧米の一都市の住民の数を、――あらゆる無用の小智識を学んだ。それは多少の努力さえすれば、必しも苦しい仕事ではなかった。が、無用....
文放古」より 著者:芥川竜之介
演会はなし、どこへ行って見るってところもない始末なのよ。おまけにこの市《まち》の智識階級はやっと徳富蘆花《とくとみろか》程度なのね。きのうも女学校の時のお友達に....
路上」より 著者:芥川竜之介
との方へ向いて、予《あらかじ》め俊助が依頼して置いた通り、精神病学に関する一般的智識とでも云うべきものを、歯切れの好《い》い口調で説明した。彼は俊助の先輩として....
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
。が、彼はアスパラガスに一々ナイフを入れながら、とにかくたね子を教えるのに彼の全智識を傾けていた。彼女も勿論熱心だった。しかし最後にオレンジだのバナナだのの出て....
星座」より 著者:有島武郎
ず。我が望むところは、彼女が東上して円山氏につき、勤労に服するのかたわら、現代的智識の一班に通ずるを得ば、きわめて幸いなり」 園はこれだけのことを読む間にも....
性急な思想」より 著者:石川啄木
笑い方をした。曰《いわ》く、「あらゆる行為の根底であり、あらゆる思索の方針である智識を有せざる彼等文芸家が、少しでも事を論じようとすると、観察の錯誤と、推理の矛....
春昼」より 著者:泉鏡花
い御境涯ですな。」 と客は言った。 「どうして、貴下、さように悟りの開けました智識ではございません。一軒屋の一人住居心寂しゅうござってな。唯今も御参詣のお姿を....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ら、いっそよく念仏が申されようと考える。 聞かしておくれの、お婆さん、お前は善智識、と云うても可い、私は夜通しでも構わんが。 あんまり身を入れて話をする――....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、もしや、この明神に念願を掛けたらば――と貴女がお心付け下された。暗夜に燈火、大智識のお言葉じゃ。 何か、わざと仔細らしく、夜中にこれへ出ませいでもの事なれど....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ろう。それ等に対してわれ等は頓着せぬ。が、過去の示教に満足し得ず、更に奥へ奥へと智識の渇望を医せんとする好学の士も、亦決して尠くない。われ等は神命によりて、それ....
我が宗教観」より 著者:淡島寒月
思議にしていましたが、自分のは豊公がイエズス教に入って、それを仲介者として外国の智識を得たように、宗教そのものよりも、それに依って外人の趣味に接しようとして遣る....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
って用が済むと、横笛を吹いたりして楽しんでおった。 ファラデーは暇さえあれば、智識を豊かにすることを努めておった。既に一八一三年にはタタムの発起にかかる市の科....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、金剛神を安置した右左の像が丹であるから、いずれにも通じて呼ぶのであろう。住職も智識の聞えがあって、寺は名高い。 仁王門の柱に、大草鞋が――中には立った大人の....
清心庵」より 著者:泉鏡花
いんだ。」 「そらそら、その尼様だね、その尼様が全体分らないんだよ。 名僧の、智識の、僧正の、何のッても、今時の御出家に、女でこそあれ、山の清心さんくらいの方....
註文帳」より 著者:泉鏡花
た遊女も目が高かった。男は煩悩の雲晴れて、はじめて拝む真如の月かい。生命の親なり智識なり、とそのまま頂かしった、鏡がそれじゃ。はて総つき錦の袋入はその筈じゃて、....