暁方[語句情報] »
暁方
「暁方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暁方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
た。お前たちは不幸だ。恢復《かいふく》の途《みち》なく不幸だ。不幸なものたちよ。
暁方《あけがた》の三時からゆるい陣痛が起り出して不安が家中に拡《ひろ》がったのは....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
といって貸してやったら、その人はまたこれをその家へ持っていって一所懸命に読んで、
暁方《あけがた》まで読んだところが、あしたの事業に妨《さまた》げがあるというので....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ていた。時刻は午前二時に近かったろう。夏も過ぎようとする頃で、白夜が次第に夕方と
暁方との方へ追いやられ、真夜中の前後四時間ほどは有難い真黒な夜の幕に包まれ、人々....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
の前へペタンと坐って、「オーさん、大変よ。きいても大きな声をだしちゃいやあよ。今
暁方、また、ふうちゃんが殺されちゃったの。ええ、三階でね、もうせんのと同じ手で…....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のは私一人と、当直をきめたが、まず少数機侵入のときはこれで十分だと思う。十五日の
暁方の空襲のときは、西南西の林越しにちらちらと火が見えた。てっきり焼夷弾が落ちて....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
居た。 某日。――朝、洗面所で麻川氏に逢う。「僕、昨夜、向日葵の夢を見ました。
暁方までずっと見つづけましたよ。」と冷水につけた手で顔をごしごし擦り乍ら氏は私に....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
たのも其の晩だ。いまいましいと思ったのよ。 そうしたあんばいでもじもじする中に
暁方近くなる。夢も見た事の無え己れにゃ、一晩中ぽかんと眼球をむいて居る苦しみった....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
んで、いつものようにその遠い端までは見えない。 気象台の予報はうまくあたった。
暁方にはかなり濃い靄がたちこめましょう――と、アナウンサーはいったが、そのとおり....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
果してしまったので今はもうネタについては全くの無一文の状態にあった。しかるにこの
暁方までに、なにがなんでも一篇の探偵小説を書き上げてしまわねばならぬというのであ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
しさが、たまらなかったのだ。 「どこかの井戸へでも入って死んでしまってやる……」
暁方から沼向うの町で花火が上り出した。S川堤の桜が満開になって、花見の客をよぶそ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
思った。 あわれ、その胸にかけたる繃帯は、ほぐれて靉靆いて、一朶の細き霞の布、
暁方の雨上りに、疵はいえていたお夏と放れて、眠れるごとき姿を残して、揺曳して、空....
「狐」より 著者:岡本かの子
込む約束をするなんて、物好きにも程がある。 ――まあ、いいから任して置け。ときに
暁方近くなって、だいぶ寒くなった。落葉でも掻き集めて来い。焚火してあたろう。 ....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
は、昨夜ずっと初子と一緒にいたのか?」 と杉村が訊いた。 「ええ、いましたわ、
暁方まで――」 「吉川と初子とは、――どんな関係だったんだ?」 「ゴリラとは別に....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
額にも氷嚢をあてがった。 達也は夜中|譫言を云いつづけて、ひどく苦しみ悶えた。
暁方近く、医者が馳けつけて来た時には、もう何とも手のほどこしようもなかった、達也....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
に道がない。 家へ帰ると早速猛練習を始めた。一夜まんじりともしないで踊りつづけ
暁方近くには疲れきって舞台に俯伏したまま前後不覚に寝入ってしまった。 「百合ちゃ....