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暇
「暇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
して、煙草の煙をとぎれとぎれに鼻から出した。
「とても、書けないね。書きたくも、
暇がないんだから、しかたがない。」
「それは手前、困却いたしますな。」
と言っ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
か宴会とかあるいはまた名所の案内とか、そのほかいろいろ講演に附随する一切の無用な
暇つぶしを拒絶したい旨希望して置いた。すると幸《さいわい》私の変人だと云う風評は....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を食いに来ないかという手紙なんだ。ちょうど僕も
暇だったし、早めに若槻の家へ行って見ると、先生は気の利《き》いた六畳の書斎に、相....
「影」より 著者:芥川竜之介
の笑い声が致したとか、そう申して居りました。それでもあの通り気が違う所か、御用の
暇には私へ小言《こごと》ばかり申して居るじゃございませんか。」
老女は紅茶の盆....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
起してしまうのです。ですから彼が三十分ばかり経って、会社の宴会とかへ出るために、
暇《いとま》を告げて帰った時には、私は思わず立ち上って、部屋の中の俗悪な空気を新....
「彼」より 著者:芥川竜之介
近い場末《ばすえ》の町へ行った。彼の妹の縁づいた先は存外《ぞんがい》見つけるのに
暇《ひま》どらなかった。それは床屋《とこや》の裏になった棟割《むねわ》り長屋《な....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
突然一隊の日本騎兵と遭遇した。それが余り突然すぎたので、敵も味方も小銃を発射する
暇《いとま》がない。少くとも味方は、赤い筋のはいった軍帽と、やはり赤い肋骨《ろっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ると「おい」と云う父の声が、突然彼の耳を驚かした。彼は倉皇《そうこう》と振り返る
暇にも、ちょうどそこにあった辞書の下に、歌稿を隠す事を忘れなかった。が、幸い父の....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
騒々しい車輪の音に単調な響を交している。
本間さんは、一週間ばかり前から春期休
暇を利用して、維新前後の史料を研究かたがた、独りで京都へ遊びに来た。が、来て見る....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
る事が出来た。その古文書の鑑定その他に関しては、今ここに叙説《じょせつ》している
暇《いとま》がない。ただそれは、当時の天主教徒の一人が伝聞した所を、そのまま当時....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
げなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える妓の愛想よく酒を勧むる
暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そう云う多感多情の久米の愛すべきこ....
「初雪」より 著者:秋田滋
僕が永年ここで暮していて、ついぞ退屈したなんてことが無いんだからね」 その日は
暇さえあると二人は接吻ばかりしていた。で、彼女はその一日を格別長いとも思わなかっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れたる銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健勝で」と言うまでは勇気ありしが、この
暇乞の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべからざる暗愁を醸し生じたり。自ら呼吸を強....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
事し、夕方になって用が済むと、横笛を吹いたりして楽しんでおった。 ファラデーは
暇さえあれば、智識を豊かにすることを努めておった。既に一八一三年にはタタムの発起....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ひびくのだった。世の中の騒がしさから逃れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余
暇を静かに夢みながら暮すことができる隠居所をもとめるならば、この小さな渓谷にまさ....