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暇乞
「暇乞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暇乞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
仔細《しさい》を聞こうとすると、葉子は事もなげにさえぎって、
「だからきょうはお
暇乞《いとまご》いのつもりでしたの。それでもそんな事はどうでもようございますわ。....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《まなこ》は期せずして合えり。 「そうしてお母《かあ》さんには?」 「道で寄って
暇乞《いとまご》いをする、ぜひ高岡を通るのだから」 「じゃ町はずれまで送りましょ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いをしたとかで、馬鹿野郎、東京には居られなくなって、遁げたんです。もうこちらへも
暇乞に来ましたが、故郷の静岡へ引込む、と云っていましたから、河野さんの本宅と同郷....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
うけた蜂谷学士はミドリ嬢と窓に顔をならべて、荒涼たる山岳地帯のうちつづく月世界に
暇乞をした。 「おじさん、今度は大威張りで帰れるネ」 「そうでもないよ、進君」 ....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ろも見ずに引き返した。 レリヤは皆と別荘を離れて停車場にいって、初めてクサカに
暇乞をしなかったことを思い出した。 クサカは別荘の人々の後について停車場まで行....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お得意の御模様が見えていました。 一と通りおききしたいことをおききしてから、お
暇乞いをいたしますと『又是非何うぞ近い中に……。』という有難いお言葉を賜わりまし....
「故郷」より 著者:井上紅梅
話をしたあとで母は語を継いだ。 「お前さんは久しぶりで来たんだから、本家や親類に
暇乞いを済まして、それから出て行くことにしましょう」 「ええそうしましょう」 「....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れたる銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健勝で」と言うまでは勇気ありしが、この
暇乞の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべからざる暗愁を醸し生じたり。自ら呼吸を強....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
廻って、一々、 (私はちっと思い立つことがあって行脚に出ます。しばらく逢わぬでお
暇乞じゃ。そして言っておくが、皆の衆決して私が留守へ行って、戸をあけることはなり....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、何てっておわびのいたしようもないのでございます。 今晩も実は一言申上げて、お
暇乞をしましょうと、その事で上りましたが、いつに変らず愛吉々々とおっしゃるので、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
だ、と思ったから、しかもお宅が焼けた晩でさ、そら、もうしばらく参りませんッて、お
暇乞に行ったでしょう。 私も思い込んだんでさ。いえ、何でも参りません。いえ、い....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ねると、思ったほどに衰れてもいなかったので、半日を閑談して夜るの九時頃となった。
暇乞いして帰ろうとすると、停車場まで送ろうといって、たった二、三丁であるが隈なく....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ックリとお遊びにいらしって下さい」と後日の再訪を求めて打切られるから、勢い即時に
暇乞いせざるを得なくなった。随って会えば万更路人のように扱われもしなかったが、親....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
送金もまた予期の如くならざるほど頗る困迫していた。 東京を出発する前、二葉亭は
暇乞いに来て、「何も特別の用務はないので、ただ来てさえくれれば宜いというのだ。露....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
尾崎行雄であった。尾崎は重なる逐客の一人として、伯爵後藤の馬車を駆りて先輩知友に
暇乞いしに廻ったが、尾行の警吏が俥を飛ばして追尾し来るを尻目に掛けつつ「我は既に....