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暗い
「暗い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
銀貨を出し、店の外へ行ってしまう。
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始めはただ薄
暗い中に四角いものの見えるばかり。その中にこの四角いものは突然電燈をともしたと見....
「影」より 著者:芥川竜之介
あと》から、静に出て行ってしまった跡《あと》には、もう夾竹桃も見えなくなった、薄
暗い空虚の客間が残った。すると二人に忘れられた、あの小さな三毛猫は、急に何か見つ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
無言のまま、彼と握手を交して、それからこの秘密臭い薄暮《はくぼ》の書斎を更にうす
暗い外の廊下へ、そっと独りで退きました。すると思いがけなくその戸口には、誰やら黒....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
門へはいるのは、もう一息の辛抱《しんぼう》である。いや、天主の大恩を思えば、この
暗い土の牢さえ、そのまま「はらいそ」の荘厳と変りはない。のみならず尊い天使や聖徒....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
です。のみならず半之丞は上さんの言葉にうんだともつぶれたとも返事をしない、ただ薄
暗い湯気《ゆげ》の中にまっ赤になった顔だけ露《あら》わしている、それも瞬《またた....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、ほろほろと白い花を落すのを見た。自分は幾度となく、霧の多い十一月の夜《よ》に、
暗い水の空を寒むそうに鳴く、千鳥の声を聞いた。自分の見、自分の聞くすべてのものは....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。が、幸い父の賢造《けんぞう》は、夏外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす
暗い梯子《はしご》の上り口へ胸まで覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
佇《たたず》んだ聖者の像を照らしている。参詣人はもう一人もいない。
そう云う薄
暗い堂内に紅毛人《こうもうじん》の神父《しんぷ》が一人、祈祷《きとう》の頭を垂《....
「運」より 著者:芥川竜之介
ますが、死骸《しがい》は、鼻から血を少し出して、頭から砂金を浴びせられたまま、薄
暗い隅の方に、仰向《あおむ》けになって、臥《ね》ていたそうでございます。
「こっ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄
暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と何....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
のだ。)病弱な胃の腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに
暗い思想や死を念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく....
「初雪」より 著者:秋田滋
その日を悲しく懶く送っていた。 再び寒さが訪れる頃になって、彼女は初めて自分の
暗い行末をじいッと視つめるのだった。こののち自分は何をしてゆけばいいのだろう? ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
る。これは初めに小講堂であった室で、その先きに、昔からの実験室がある。その先きに
暗い物置があるが、これから狭い階段を登ると、場長の住む室の方へとつづいている。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や人声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊富だし、幽霊のでる場所も多いし、うす
暗い時刻につきものの迷信もあまたある。流星がとぶのも、隕石がひらめくのも、この谷....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
色が蒼然とあたりに迫っていた。夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの
暗い、はるか遠方にあるように見えた。道ばたに三本立っている見あげるような樅の木ま....