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暗号
「暗号〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗号の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
とも何とも、自分で言ったのじゃ無いから、別にそこまでは気を廻さなかったと見えて、
暗号に袖を引張らなかった。もうね、可愛いんだ、――ああ、可恐い、と思うと、極った....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
火の報鐘さえ聞かなかった。怎うして焼けたろう? 怎うしても焼けたとは思われない。
暗号ではないかとも思った。仮名が一字違ってやしないかとも思った。が、怎う読直して....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
事に自分の事務所へ戻りついた。 戸をあけて玄関にはいると――彼だけが知っている
暗号錠の動かし方によって、彼はこの戸じまり厳重な屋内へはいることが出来るのであっ....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
かくそれは、イギリス政府が英本土を捨てて都落ちをする際、使用することになっている
暗号の鍵なんだ。それが、あのゼルシー城塞のどこかに隠されているのだ。われわれは、....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
上げたり下げたりする、幽な、しかし脈を打って、血の通う、その符牒で、黙っていて、
暗号が出来ると、いつも奥様がおっしゃるもんだから、――卓子さん(卓をたたく)殊に....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
あったのである。 彼は苦心に苦心をして、いろいろなことを探った。そして、たえず
暗号無電で、軍艦明石の無電班と連絡をとっていたのであった。 彼は杉田二等水兵の....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
望んで僻境孤立の、奥|山家の電信技手に転任されたのです。この職務は、人間の生活に
暗号を与えるのです。一種絶島の燈台守です。 そこにおいて、終生……つまらなく言....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
道端の事、とあえて意にも留めない様子で、同じように爪さきを刻んでいると、空の鵄が
暗号でもしたらしい、一枚びらき馬蹄形の重い扉が、長閑な小春に、ズンと響くと、がら....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
は黙って遣過ごして、再び欄干の爪の跡を教えた。 「これはね、皆仲間の者が、道中の
暗号だよ。中にゃあ今|真盛な商売人のもあるが、ほらここにこの四角な印をつけてある....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
枯枝のような手を出した。婆がその手を、上に向けて、横ざまに振って見せた。 確に
暗号に違いない、しかも自分にするのらしい。 「ええ。」 胸倉を取って小突かれる....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
ると言ったのも、大勢の牙ムキ出しの青面の笑も、先日の小作人の話も、どれもこれも皆
暗号だ。わたしは彼等の話の中から、そっくりそのままの毒を見出し、そっくりそのまま....
「暗号数字」より 著者:海野十三
によって築地の某料亭の門をくぐったのであった。時刻は丁度午後三時十七分であった。
暗号の鍵 「やあ、どうもたいへん失礼なところへ御案内いたしまして――。でもこうで....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
井夫人)を殺そう。お夏さんは定子になって殺されようという、――まだもっとも、他に
暗号も極めてあったんではありますがな、髪を洗って寝首を掻かせた、大時代な活劇でさ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
はお藤を背に荷い、これは下枝を肩に懸けて、滑川にぞ引揚げける。 時正に東天紅。
暗号一発捕吏を整え、倉瀬泰助|疾駆して雪の下に到り見れば、老婆録は得三が乱心の手....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
|分どおりできあがっていたんだ。その大体のことは、浮浪者がもち逃げしたノートに、
暗号をつかって書いてある。あいつめ、おれのノートを取りやがって……どんなことをし....