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暗唱
「暗唱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗唱の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
美談」「佳人之奇遇」のごとき、当時では最も西洋臭くて清新と考えられたものを愛読し
暗唱した。それ以前から先輩の読み物であった坪内氏の「当世書生気質」なども当時の田....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
音頭をとって、子供の唱歌が始まり、それから正面の壇へ大きい子供がかわるがわる出て
暗唱をすると、尼さんが心配して下から小さい声でいっしょに
暗唱するのでした。それか....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
かの参考になる事が多い。 しかしいくら完全でも結局案内記である。いくら読んでも
暗唱しても、それだけでは旅行した代わりにはならない事はもちろんである。 案内記....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
渓の「経国美談」を読まない中学生は幅がきかなかった。「佳人の奇遇」の第一ページを
暗唱しているものの中に自分もいたわけである。 宮崎湖処子の「帰省」が現われたと....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
を黒板へ書くこともあった。試験の時に、かつて先生の引用したホーマーの詩句の数節を
暗唱していたのをそっくり答案に書いて、大いに得意になったこともあった。 教場へ....
「蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
おのの区別を判別する能力をもっている。それどころか、昔でさえもたとえば論語を全部
暗唱する人は珍しくなかった。それだけのきわめて卑近な簡単な一例から考えても、人間....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
》た渋いのどで唄の素稽古《すげいこ》をする。そばで聞いていて二絃琴の唄はすっかり
暗唱しているのだ。おッさんの――おしょさんというのがそうきこえる――あすこんとこ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。それらの古めかしい顔つきとそれらのバイブルにある名前とは、少年の頭の中で、彼が
暗唱している旧約書の中にはいり込んできた。そして彼女らが、消えかかった暖炉のまわ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いとさえ思った。
彼女はそこを逃げ出して、家の中にはいり、そして手記を読み返し
暗唱し夢想せんがために、自分の室《へや》の中に閉じこもった。十分に読んでしまった....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
ティヌスとか聖グレゴリウスとかいうものが出てきた。そのうえ彼は、すでに二十ぺんも
暗唱した課目を復唱してるようであり、知りすぎてるために記憶のうちに消えかかった課....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
しょうか。本を持っていらっしゃい」 かれはまた本を取り上げた。わたしはその話を
暗唱し始めた。わたしはほとんど完全に覚えていた。 「やあきみ、知っているの」 「....