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暗誦
「暗誦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗誦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
言葉さえ出ませんでした。が、女は和尚に頓着なく、じっと畳を見つめながら、ほとんど
暗誦でもしているように――と云って心の激動は、体中《からだじゅう》に露《あら》わ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
して、僕の中学生時代いつも教室へのこのこ参観しに来やがるんだ。すると、教師が僕に
暗誦をさせるんだ。僕は親父が背後で見ていると思うと、あがってしまって、出来やしな....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
一、次に俳優はいったんその位置を去り、付近の自由なる場所において任意にせりふの
暗誦その他練習をする。 一、その間にカメラのすえつけならびに操作準備、照明器具に....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
んなはほんとうに涙を流して臥薪嘗胆を誓った。 僕はみんなに遼東半島還附の勅諭を
暗誦するようにと提議した。そして僕は毎朝起きるとそれを声高く朗読することにきめて....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
を待っていた。ドイツに関する最近出版の四、五冊の本も読んだ。ドイツ語の会話の本の
暗誦もした。おまけに、帰りにはオーストリア、スイス、イタリアと廻るつもりで、イタ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
に、教壇へたち、勅語や教訓を級友達に先だって大声でそらんじることであった。私は、
暗誦がちっとも出来なかった。その頃、未だ九九がすらすらと云えなく、減算なども十指....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
。 父親 赤貝に、青柳に……。 母親 あーら、いやですわ。あれはあたしが動物学の
暗誦をしていたんですわ。 父親 (飯を頬張りながら)動物学だって。 母親 ええ。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
詩を微吟していたらしいが、無慾の君のことだから、『|贈僧』という杜荀鶴の詩でも、
暗誦していたんじゃあるまいかな?」 「いいえ」と私は笑いながら、「杜荀鶴のその詩....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、其方共|助命申付、日本橋ニ於テ、三日|晒ノ上、遠島之ヲ申付ル」
兵馬の口調は
暗誦的であった。永らくの間心の中にあって、しばしば繰り返していた文章を、
暗誦たと....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
博士」にだってなります。ただ、詩だけは作らせて下さい。「文章博士」が経書の文句の
暗誦をするだけなら、あんなもの誰だってなれます。だけど、そんな知識を振翳したって....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
章を見付けてイボギンヌが駈け寄りました。車中で初対面の挨拶をフランス語で言おうと
暗誦して居たのにイボギンヌが、いきなり抱き付きましたので英語でしゃべってしまいま....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
は似ない克明な口上振、時々ものいいの渋るといい、何でも口うつしに口上を習って路々
暗誦でもして来たものらしい。 かかる肌違のものに対しては、鴨川大人口を開いて、....
「城」より 著者:カフカフランツ
休めた。だが、バルナバスが最初のKの報告をよくおぼえていることを示すため、それを
暗誦し始めたので、またKを怒らせてしまった。
「たくさんだ、私はなんにも知りたく....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いましたように上の種族は政府も学校へ入学を許します。その学校で教えるところの事は
暗誦、習字、算数の三つの課目である。第一が
暗誦第二が習字で時間の上からいうと最も....
「残された日」より 著者:小川未明
易く道理がわかるように、その人は算術を作らなかったのでしょうか。私には、むやみに
暗誦したり、法則を覚えてしまうことができないのです。」 と長吉は、先生に向かって....