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暗黒
「暗黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
、独唱家《ソロイスト》と云うよりゃむしろ立派な色魔だね。」と、また話を社会生活の
暗黒面へ戻してしまった。
が、幸《さいわい》、その時開会を知らせるベルが鳴って....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
かり。)
夜霧が下りているぜ。
×
声ばかりきこえる。
暗黒。
Aの声 暗いな。
Bの声 もう少しで君のマントルの裾をふむ所だった。
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
苦痛をも甞《な》めなければならぬ。殊に今度の大地震はどの位我我の未来の上へ寂しい
暗黒を投げかけたであろう。東京を焼かれた我我は今日の餓《うえ》に苦しみ乍《なが》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
のカアクリントン教会区で、七歳の少女がその父の二重人格を見たと云う実例や「自然の
暗黒面」の著者が挙げて居りますH某《ぼう》と云う科学者で芸術家だった男が、千七百....
「或る女」より 著者:有島武郎
顔が三つにも四つにもなって泳いだ。そのあとには色も声もしびれ果ててしまったような
暗黒の忘我が来た。
「おねえ様……おねえ様ひどい……いやあ……」
「葉ちゃん……....
「二つの道」より 著者:有島武郎
そして人の世は無事泰平で今日までも続き来たった。
しかし迷信はどこまでも迷信の
暗黒面を腰にさげている。中庸というものが群集の全部に行き渡るやいなや、人の努力は....
「星座」より 著者:有島武郎
ぶすと臭い香いを立てて燃える丁子の紅い火だけを残して灯は消えてしまった。煙ったい
暗黒の中に丁子だけがかっちりと燃え残っていた。絶望した清逸は憤りを胸に漲《みなぎ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
開地的趣味とは、かくて驚くべき勢力を人生に植えつけている。 見よ、ヨーロッパが
暗黒時代《ダアクエージ》の深き眠りから醒《さ》めて以来、幾十万の勇敢なる風雲児が....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ようがない。東西南北は一つの鉢の中ですりまぜたように渾沌としてしまった。 薄い
暗黒。天からともなく地からともなくわき起こる大叫喚。ほかにはなんにもない。 「死....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の城廓なる私自身が見る見る廃墟の姿を現わすのを見なければならないのは、私の眼前を
暗黒にする。 けれどもそれらの不安や失望が常に私を脅かすにもかかわらず、太初の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
時は永久である/空間の無限性に関してリーマン及びヘルムホルツ/恒星の数は無限か/
暗黒な天体や星雲が天空一面に輝くことを阻止する/物質の不滅/スピノザ及びスペンサ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
全部崩壊して、騎士の個人的戦闘になってしまいました。一般文化も中世は見方によって
暗黒時代でありますが、軍事的にも同じことであります。 それが文芸復興の時代に入....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
かすかに続けながら、悪い夢にでもうなされた様な重い心になって居るかと思うと、突然
暗黒な物凄い空間の中に眼が覚める。周囲からは鼓膜でも破り相な勢で鉄と鉄とが相打つ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
するもので、謂わば夜の闇に光る影のようなものである。この全宇宙を支持する偉大なる
暗黒は、太陽や、月や、星によって駆逐さるることなく、一つの永遠の墓衣のように地球....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
分しに行く市の名誉職十二人の随一たる己様だぞ。こう思うと、またある特殊の物、ある
暗黒なる大威力が我身の内に宿っているように感じるのである。 もしこいつ等が、己....