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「暮夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暮夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黄村先生言行録」より 著者:太宰治
に於いても負けたくない先生のことだから、あの水族館に於ける恥辱をすすごうとして、暮夜ひそかに動物学の書物など、ひもどいてみた様子である。私の顔を見るなり、 「な....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
五年の歳月を送ったのだった。私に新たな希望の光がだんだんと明るく燃えだした。私は暮夜、あの鉛筆の芯ほどのラジウムを掌の上に転がしては、紅い灯のつく裏街の風景など....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
、老文学書生先生もいた。その社会的関心と云うのがマルクス主義経済学のことなのか、暮夜に先輩の門を敲くことなのか、こう云う場合には往々見境がつけられていないようだ....
四十八人目」より 著者:森田草平
もしたし、それから後も山科に閑居して、茶屋酒にうつつを脱かしていると見せながら、暮夜ひそかに大垣の城下に戸田侯(内匠頭の従弟戸田采女正氏定)老職の門を叩いて、大....
魔像」より 著者:林不忘
場の連中、ことに、御大神保造酒自身の出馬援助が絶対に必要だ。 そこで、ああして暮夜《ぼや》ひそかに門を叩いて助剣を求めた次第だが、その時、造酒の持ち出した条件....
葛根湯」より 著者:橘外男
どいところで白状した。 グスは先月以来、酒を飲むと痛くて飛び上がる病気に罹って暮夜、ひそかに三村と呼ぶ花柳病専門の医者へ通っているところであった。 「そんなら....
三国志」より 著者:吉川英治
り、その屍を収めて、金雁橋のかたわらに、一基の忠魂碑をたててやった。鴻雁群れて、暮夜、碑をめぐって啼いた。 かくて※城は、本格的な包囲の中に置かれた。 降参....
私本太平記」より 著者:吉川英治
空を見ながら、正成は思い出していた。 かつて都の若公卿が、身を山伏にやつして、暮夜ひそかに門を叩き、北条幕府の悪政をそしり、そして、みかどを中心とする世直しの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
その間、大塔の本堂では、老僧以下あまたな僧が護摩の壇をめぐッて、日々、未明から暮夜まで、交代に読経の座を占めたまま、うごかなかった。「高野春秋」によれば、その....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
義父子や、右馬助忠正などは捕われていない。 忠正は、甥の清盛が、内裏方なので、暮夜ひそかに、六波羅を訪い、情にすがって、命乞いを頼んでいます。この叔父たるや、....