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「暴戻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暴戻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
悪くなり、ついに恐ろしい鉄時代が来た。謙譲、忠誠、真実は地上から飛び去り、虚偽、暴戻、背信、そして飽くことを知らぬ黄金の欲望並びに最も粗野な罪悪の数々がとって代....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
出て貰わねばなりません」 かの女は夫人が、妻の自分にも子の規矩男にも夫の与えた暴戻なものに向って、呪いの感情を危く露出しそうになったのに、どうなることかとはら....
河明り」より 著者:岡本かの子
けれどもそういうものの起ったとき、無暗にこれ等の豊饒な果ものにかぶりつくのです。暴戻にかぶりつくのです。すると、いつの間にか慰められています。だから手元に果物は....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
輝かせたが、永正十七年飯田河原で遠州の大兵を破って以来、すっかり天狗の鼻を高め、暴戻の振る舞いが多くなりむやみと家来を手討ちにした。累代の四臣と云われたところの....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
対する嫌疑の晴れる日である。私はこの遺書の発見せられる時期が、彼清水が私に加えた暴戻に対する復讐に必要にして十分なる程度に、長からずかつ短からざるを祈る』 短....
あひると猿」より 著者:寺田寅彦
ないのである。 自分の到着前には雄が二羽いたそうである。その中の一羽がむやみに暴戻で他の一羽を虐待する。そのたびに今もいる鴨羽の雌は人間で言わば仲を取りなし顔....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
狗の松平氏が赤服で馬車を駆っているのを見た記憶がある。店の紅殻色の壁に天狗の面が暴戻な赤鼻を街上に突き出したところは、たしかに気の弱い文学少年を圧迫するものであ....
空襲警報」より 著者:海野十三
、十分沈着元気に協力一致せられて、防護に警備に、はたまたその業につくされ、もって暴戻なる外国S国軍の反撃に奮励していただきたい。昭和十×年七月二十五日。東部防衛....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
主義または愛国運動等の美名に藉口して、他人の言論の自由を不法に抑圧し行動を束縛し暴戻専恣の行動をたくましくし、一般国民をしていいたいこともいえぬような社会情勢を....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けんそう》(彼はほとんどクリストフと同じくらい喧騒をにくんでいた)から遠く離れ、暴戻《ぼうれい》から遠ざかり、嘲笑《ちょうしょう》から遠ざかり、毎日人の苦しむ種....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
りこみ、ここの岩礁のうえで、ポンと放したのです」 この、天人ともに許さぬ白人の暴戻は、キューネをさえ責めるように衝いてくる。まったく、ナエーアが啜り泣きながら....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
か着ちまってる、何という魔ものだ。 女は口惜しがる度に小田島を強く小突く。彼は暴戻な肘で撃れる度に、何故かイベットの睫の煙る眼ざしを想出す。 ――あんた、後生....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
てルパンの襟頸を掴んだ。何たる無礼の振舞だ!ルパンたるものいかにしてかくのごとき暴戻に忍び得よう。いわんや婦人の面前である。彼が同盟を提議した婦人、しかも最初見....
ろくろ首」より 著者:小泉八雲
外の僧侶達のあえて行こうとしない処へ、聖い仏の道を説くために出かけた。その時代は暴戻乱雑の時代であった。それでたとえ僧侶の身でも、一人旅は安全ではなかった。 ....
赤い花」より 著者:田中貢太郎
明治十七八年と云えば自由民権運動の盛んな時で、新思潮に刺戟せられた全国の青年は、暴戻な政府の圧迫にも屈せず、民権の伸張に奔走していた。その時分のことであった。 ....