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「暴虐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暴虐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
取ったことによって、又自分自らを罰せなければならなかった。彼は先ず自分の家の中に暴虐性を植えつけた。専制政治の濫觴をここに造り上げた。そして更に悪いことには、そ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
たわけではなかったが、非戦闘員である彼等市民の上に加えられた昨夜来の、米国空軍の暴虐振りに対して、どうにも我慢ができなかったのだった。 戒厳令下に、銃剣を握っ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
配る消火夫の水に濡れると忽ち白い煙を渦立たして噴き出した。満目唯惨憺として猛火の暴虐を語っていた。 焼けた材木を伝い、焼落ちた屋根の亜鉛板を踏んで、美術書の陳....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
なってようやく知れて来たロシアの共産党政府の無政府主義者やサンジカリストに対する暴虐な迫害や、その反無産階級的反革命的政治の紹介に、僕の全力を注いだ。 八月の....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
遣れ遣れ、遣っちまえ、遣っちまえ。 学円 言語道断、いまだかつて、かかる、頑冥暴虐の民を知らん! 天に、――天に銀河白し、滝となって、落ちて来い。(合掌す。)....
転機」より 著者:伊藤野枝
かつてその問題のために一身を捧げてもと、人々を熱中せしめたのも、ただその不条理の暴虐に対する憤激があればこそではあるまいか。それ等の人はどういう気持ちで、その成....
南地心中」より 著者:泉鏡花
、その翌の日の夕暮時、宝の市へ練出す前に、――丸官が昨夜芝居で振舞った、酒の上の暴虐の負債を果させるため、とあって、――南新地の浪屋の奥二階。金屏風を引繞らした....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
上から神を考うれば、神は完全であり、純潔であり、愛であり、神聖でありそこに残忍、暴虐、その他人間的悪徳の片鱗をも認むることはできない。神は罪悪がそれ自身の中に刑....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
この地蔵さんだす」 と訊いたので、私は次のような長い立ち話をした。 B29の暴虐爆撃の中で、私が最も憤激に堪えぬのは、彼等が日本の伝統を破壊しようとしている....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ものを突きつけるに至っては、刀の切尖へ饅頭を貫いて、食え!……といった信長以上の暴虐です。貴老も意気が壮すぎるよ。」 「先生、貴下はまた、神経痛ごときに、そう弱....
遁走」より 著者:葛西善蔵
、どこまでも妻子たちとは離れたくなかったのだ。私はむりに伴れて行かれる気がした。暴虐――そんな気さえしたのだ。それでも、私の友人たちのただ一人として、私に同情し....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、この不快な感覚を、まったく思いがけもない何物かに変えようと決心した。海上の嵐の暴虐を材にとって、彼は一篇の詩を作った。――粗い、モダーンな、ユーモラスな、そし....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
ているよ」 「僕は捕えられてもよいのだ。僕はなすべきことをしているのだから決して暴虐の手に屈しないのだ。真理はかつて破れたことがないからなア」 「そら来た!」 ....
民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
れだと思うのであります。 愛を知り、涙を知り、人間らしい感情に生きる民衆こそ、暴虐に対して、憤り、反抗する理由と実力とを有するのです。またこの霊魂をもって書か....
近頃感じたこと」より 著者:小川未明
罪人ということわざの如く、強い者が、感情のまゝに弱い者に対する振舞というものは、暴虐であり、酷使であり、無理解であった場合が多かったようです。即ち、彼等の親達も....