暴論[語句情報] » 暴論

「暴論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暴論の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
フォスフォレッスセンス」より 著者:太宰治
て暗示を受けているものなのだそうであるが、しかしそれは、母と娘は同じものだという暴論のようにも私には思われる。そこには、つながりがありながら、また本質的な差異の....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に協議を開いて居りましたが、我が滝本総領事は、常に正々堂々の論陣を張って、○国の暴論を圧迫していましたところ、其の新規約も八分通り片がついた今日になって、会議か....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たか、そんな問題は第二として、又誠心誠意を以てやった事ならどんな事でも好いと云う暴論は吐かないが、少くとも、庄司署長がこの問題に対して良心を枉げていたとは思われ....
模倣と独立」より 著者:夏目漱石
た惜しい事をした、といって笑った。その時分は杉浦さんも二十八位でまだ若かったから暴論を吐いて文部省を弱らせたのでしょう。下駄の方が宜《よ》いという訳はないと考え....
惜別」より 著者:太宰治
いみじめな思想だ。さらにまた、医は能く病いを癒すも、命を癒す能わず、とは何という暴論だ。恐るべき鉄面皮の遁辞に過ぎないではないか。舌は心の霊苗なり、とはどんな聖....
海底都市」より 著者:海野十三
っぽ》を振ってみたい欲望を催《もよお》したことはないですぞ、ダリア君」 「それは暴論というものですわ。尾骨のことと内耳迷路《ないじめいろ》の平衡器官《へいこうき....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
して、僕を詩の破壊者と見、詩の音律を不用視して散文的に低落させるところの、邪道的暴論者流のように考える。思うに「近代風景」一味の人々が、僕に対して有する抗議の中....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
界へ行けば、金属が生きものである場合があるのです」 「ばかばかしいことだ。それは暴論だよ」 そういわれても、帆村はひるまなかった。 「地球上に存在する金属の中....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
当然の論。それに反して、季節風の猛雨が始まったら登行をするという、この折竹の説は暴論といおうか、まことに、常識外れの馬鹿馬鹿しいものだった。そして、ついに隊は二....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
ものが、人権尊重のためにタイホがおくれるなどと口実をつくるのは奇怪であり、かゝる暴論に対して非難の輿論が起らぬという日本の現実は悲しむべき貧しさである。 密告....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
一風潮があって、ドストエフスキーは探偵小説だというような説があるが、こういうのを暴論と称する。 すべて、すぐれた文学は人間をトコトンまで突きつめていくものだか....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
者、この場において試合をし、勝った方の説を、正論と致そう」と、その精悍の気象から暴論を持ち掛けた。忠右衛門は迷惑とは思ったが、引くに引かれず承知をし、試合をした....
誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
の鬱血が劇烈で、丁度肺水腫のような外観を呈しているというのです。実に、念の入った暴論ではありませぬか?」 「いや全く探偵小説家のヨタ以上ですね」と察しのよいブラ....
料理する心」より 著者:北大路魯山人
げばよいという実用面だけを強調する議論と同じでありまして、畢竟、無理解から起こる暴論でありましょう。それにも拘らず、お料理の本にも食器の講座がありませんのは、片....
論語とバイブル」より 著者:正宗白鳥
には全然従われぬと見え、様々にこれを曲解しているが、無心に見れば、個人を蔑視した暴論である。姦淫の訓戒も人間固有の性に背いている。全章只一つ吾人の気に入る文句は....